女性の臨床心理士のキャリアパス・結婚後の生活

女性の臨床心理士の現状

臨床心理士は、性別に関係なく働くことができる職業です。

しかし臨床心理士などの心理系の資格を取得している人の比率としては、7割~8割程度が女性といわれています。

カウンセリングを学ぶことができる民間のスクールでも、たいてい女性のほうが多く通っているようです。

実際に、カウンセリングの現場での女性の臨床心理士の需要は高いのです。

思春期の女子生徒や若い女性のクライアントの場合、男性ではなく女性の臨床心理士に相談したいという希望を出す人がいるからです。

また、幼い子どものカウンセリングや暴力・虐待などの被害者のカウンセリングでも、声や表情が穏やかで物腰の柔らかい女性が選ばれることがあります。

専門知識を備えた女性の臨床心理士は、この先も医療、福祉、教育、産業などの各現場で求められるようになっていくでしょう。

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女性の臨床心理士の強み・弱み

強み

 

先述のように女性の臨床心理士には、物腰の柔らかさでクライエントの心を安心させることができるという強みがあります。

もうひとつ、女性ならではの強みとして、「人の心の動き」に敏感であるということが考えられます。

一般的に、女性のほうが人間の「嬉しい」「悲しい」といった心の動きに敏感であるというのはよく知られているところです。

さらに周囲を気遣うスキルや初対面の人と打ち解けるコミュニケーション能力も高いとされています。

もちろん男性でも繊細な感情を持ち、人の心に寄り添うことが得意な人もいることは間違いありません。

しかし一般的な男女の性差として、こうした能力が女性の臨床心理士の強みとして語られることが多いようです。

弱み

 

その一方で、女性の臨床心理士ならではの難しさもあります。

臨床心理士は、国家資格ではなく、正社員や常勤の働き方ができる求人は決して多くありません。

したがって、学生時代に時間をかけて臨床心理士の資格を取得しても、非常勤での勤務になることが多いのです。

非常勤の場合、ボーナスや各種の手当ては期待できません。

時給制で働くことになるので生活も不安定になりがちです。

さらに雇用契約の内容によっては、産休や育休、時短勤務などの制度を使うこともできないことがあります。

これは働く女性にとって非常に大きな問題です。

こうした事情から、妊娠や出産のタイミングに悩む女性の臨床心理士も少なくありません。

「正規雇用になれるまでは結婚や妊娠はしない」と考えている人もいるようです。

臨床心理士の結婚後の働き方・雇用形態

  
                    
臨床心理士は、結婚後はどのように仕事と家庭を両立させるのでしょうか。

これに関しては仕事の内容にもよりますが、一般的にはパートナーの理解が不可欠だといわれています。

臨床心理士は、報告書の記録や研究論文の執筆、研修への参加など、勤務時間外に活動を行わなければならないこともあります。

また資格取得後にも学習を続けなければいけないので、休日も勉強時間にあてることがあります。

ただし非常勤であれば、常勤よりも短い時間で勤務することになるので、スケジュールは融通が利きやすいといった職場も多いようです。

就職先としてはさまざまな可能性がある職業ですから、結婚生活を優先させるためにある程度自分で選ぶことも大切です。

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臨床心理士は子育てしながら働ける?

                   

臨床心理士の仕事は、妊娠や出産をしてからも続けることが可能でしょうか。

これに関しては、臨床心理士の活躍の場はさまざまであるため、一概にはいえません。

どのような職場に勤めるかによって、仕事と家庭の両立がスムーズにできるかどうかも変わってくるのです。

たとえば臨床心理士がメンタルクリニックに勤務した場合を考えてみましょう。

診療時間にあわせて朝9時から17時までの勤務というところであれば、保育園を利用して働きやすいでしょう。

しかし会社員を対象にする都心のクリニックの場合、20時や21時ごろまで開いており、勤務終了時刻が遅くなることがあります。

また、病院勤務の場合は、まれに当直がある職場も存在します。

このような職場環境では、育児と仕事を両立するのは厳しいかもしれません。

パートナーだけではなく、子どもを預かってくれる親族がいると、両立しやすくなるでしょう。

臨床心理士は女性が一生働ける仕事?

                     

臨床心理士は女性に人気のある職業です。

女性ならではの物腰の柔らかさやコミュニケーション能力を生かして働くことができますし、女性や子どものクライエントからの需要もあります。

また、専門性の高い職業なので、一度身につけた臨床心理士としての知識やスキルをずっと生かすことができるのも強みです。

資格を取得するまでにはたくさんの勉強が必要ですが、そのぶんスペシャリストとして長く活躍することができます。

今の日本は、海外に比べるとカウンセリングの必要性が社会に広く認知されていません。

しかし、これからは、教育、医療、産業などの各領域で臨床心理士の活躍の場が増えていくといわれています。

専門性を生かして働きたい女性にとっては、ますます輝ける職業となるでしょう。