臨床工学技士の業務を含め、大まかな役割としては、
1.医療機器の安全性・有効性の確保
2.適正医療の普及
3.機器管理体制の確立
4.医療技術の発展
5.医療費の抑制
の5項目が挙げられます。
1.医療機器の安全性・有効性の確保
日進月歩を繰り返す先進の医療機器の安全性を確保し、臨床の現場に提供することを主とします。
また、その機器が臨床の現場で最大限の有効性を発揮できるように管理することも含まれます。
2.適正医療の普及
医療を提供する上で、患者さんに負担が少なく適正な医療を提供できるように、医師への助言も含め、それぞれの患者さんに適した医療機器の提供を行います。
3.機器管理体制の確立
病棟で医療機器を使用するにあたり、臨床工学技士が機器を集中管理します。
そのことにより、医療機器が病棟で行方不明になったり、故障したまま病棟で放置され実際に緊急で使用する時に故障に気付いたりするといったことを防ぎます。
臨床現場でスムーズに医療が提供できるように医療機器を管理することが、管理体制を確立することの目的です。
4.適切な医療機器の提供
進歩する医療機器を適切な治療を必要とされる患者さんに提供することです。
技術が発展してもそれに対する知識がなければ、患者さんに提供することはできません。
医療機器の専門家として患者さんに負担のない医療機器を提供することは、臨床工学技士業務としての仕事の醍醐味でもあります。
5.医療費の抑制
修理すれば使用できる医療機器を買い替えてしまうといった無駄な経費を削減することで医療費の抑制ができます。
医療機器の多くは、かなり高額なものです。人工呼吸器などでは、機種にもよりますが1台で1000万円近くする機種もあります。
そのような高価な医療機器を故障のたびに新品に交換していては莫大な経費がかかってしまいます。
臨床工学技士は、そのような機械も講習会を受けて院内で修理し、医療の現場へと提供します。
そうすればかかる費用は交換部品代だけとなり、経費節約に貢献することができます。