臨床工学技士と医療事故

医療事故とは何か

日々、新聞やニュース番組に目を通していると、しばしば「医療事故」というテーマが大きな問題として取り上げられることがあります。

医療事故とは、医療現場において発生する人身事故のことをいいます。

もっとわかりやすくいうと、病院などの医療施設において、医療従事者が提供した医療に起因するか、起因すると疑われる事故は、総合的に「医療事故」とみなされます。

医療事故は、最悪の場合、患者さんの命を落としてしまうことになりますし、そうでなくても重大な後遺症を残してしまったり、精神的なダメージを与えてしまったりすることもあります。

はじめに、「医療行為は絶対にあってはならないもの」と認識する必要があるといえます。

臨床工学技士が重要視される時代に

医療事故を引き起こす要因としては、まず、医師やその他の医療職が提供する医療行為そのもの(知識不足や注意力欠如によるミスなど)が挙げられます。

しかし、このほかにも医療施設で使用する機械や設備、あるいはシステムの不具合が医療事故につながることもあります。

ここで、臨床工学技士が深く関係してきます。

臨床工学技士が扱う「人工透析装置」や「人工心肺装置」などの医療機器は簡単に扱うことが難しく、機械そのものについての深い知識はもちろん、人体の構造、患者さんの症状や状態に応じた使用方法をきちんと理解していなければ、思わぬところで間違った使い方をしてしまうことがあります。

かつては、医師や看護師がこれらの機器を扱い、患者さんの対処をすることはよくありました。しかし、医療機器は年々進歩し続けており、ますます使いこなすことが難しくなっている背景もあります。

実際、過去には医師などが正しく使用できなかった結果、重大な医療事故につながってしまい、業務上過失致死で書類送検されたケースもあります。

こうした問題を未然に防ぐために、医療現場では医療機器のスペシャリストである臨床工学技士が必要とされています。