臨床検査技師のつらいこと、大変なこと、苦労

臨床検査技師のつらいこと、大変なこと

業務では常に細心の注意を払わなくてはならない

生理検査に使用される機器は安全性の高いものではありますが、生身の人間に電極などを取り付けて行うため、安全には十分に気をつけなければいけません。

少々の動きで検査データに歪みが出ることがあるため、患者さんがリラックスしていられるよう気を遣いながら業務を進めます。

さらに検体検査の際には、取り扱う検体に人体に有害な微生物などが感染している可能性を念頭に置き、二次感染しないよう細心の注意をはらう必要があります。

検体扱い時はサージカルマスクやディスポーサブル手袋などを使用し、検査室の出入りの際には必ず新しいものと取り換えるなどして、二次感染・院内感染を防ぎます。

必要な場合は手洗い・手指消毒をし、検査室も消毒するなどの対策をするといった、徹底した動きが求められます。

「採血」は、する側もされる側も大変

多くの臨床検査技師にとって、最も大変な業務は「採血」でしょう。

普通の注射針よりも太い針を使用するため、血管内を傷つけたり、突き破ったりしないよう注意深く行わなければいけませんが、それでも血管が細い人やお年寄りなどの場合、血管にうまく針が刺さらないことがあります。

患者さんによっては数回刺し直しをしてやっと血液が採取できることもあり、患者さんのつらさはもちろんのこと、担当する技師も精神的負担を負います。

なかには「血管迷走神経反射」という生理的な反射によって、針を刺すと意識を失ってしまう人もおり、患者さんに危険がないようにあらかじめベッドで横になってもらうなどの配慮も必要です。

針刺し事故にも気を配らなければならず、神経を消耗する業務になりがちです。

医療機関の正職員募集は少なく、任期制で働く人も

医療技術の発達によりオートメーション化・簡易化が進み、検査技師の手技が必要な検査は少なくなっています。

そのため医療機関での正職員募集はあまり多くはなく、あったとしても生理検査の実務経験が必要など、応募資格が限られていることもあります。

最近では3~5年の任期制で募集をかけている病院が多いため、任期満了になるとまた職場を探さなくてはなりません。

与えられた時間と環境で自ら実践と勉強を積み重ね、上位資格を取得していくなど、さらなる向学心が今後の臨床検査技師には必須です。

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臨床検査技師の悩み

人間関係の悩み

臨床検査技師が働く環境は、病院の検査室や保健センターなど、比較的人数が少ない部署となります。

毎日同じ顔触れで過ごすことが多いため、人間関係の悩みが生まれた場合、大人数の部署よりも悩みが深刻になりがちです。

気の合う仲間同士で仕事ができればよいですが、どうしても気の合わない人がそばにいる場合、自分の中で境界線を引いて付き合うなどの対処が必要になるでしょう。

正職員への道のり

検査の機械化・簡易化によって臨床検査技師が必要な場面が減り、病院検査室も縮小傾向にあります。

正規雇用ではなく任期制で雇用する医療機関が増えているのも、臨床検査技師にとっては厳しい現状です。

任期制は、勤務期間は正職員と同等の扱いを受けることが多いものの、それ以降は再就職先を見つけなくてはなりません。

早いうちに正職員として採用されるためには、職場での実務経験を積極的に積み、勉強会にも参加するなど地道な努力が必要です。

仕事に飽きがくる場合も

繰り返しになりますが、現在では、検体検査の多くはオートメーションでデータを出せるようになっています。

まだ実務経験が少ない臨床検査技師の業務は、機械の動作確認やデータの照会など、簡易なものだけになる場合があります。

臨床検査技師は、日々同じ部屋で同じ動作を繰り返し、患者さんと直に接する機会も少ないため、飽きが生じてきやすい傾向があります。

より専門的な仕事を任されるようになるには上位資格の取得も必要ですが、そこに至るまでの時点で仕事にやりがいを見出せないと、なかなか将来をイメージするのが難しいかもしれません。

臨床検査技師を辞める理由で多いものは?

すべての臨床検査技師が各職場で順調に力を付けていければよいですが、そうでない場合もあります。

部署の性質や頼まれる仕事内容によっては、臨床検査技師として理想のキャリアを歩めず、やりがいを感じられなくなってしまう人がいるようです。

また、懸命に努力して資格を取得してもなかなか正職員として落ち着けない場合、小さなストレスがじわじわと心身を圧迫し、退職を決意する場合もあります。