陸上選手の年収はいくら? 実業団の給料や収入の仕組みについても解説

日本の陸上選手の多くは、企業(実業団)に所属した上で陸上競技を続けています。

そのなかでも「社員選手」や「契約選手」に分かれており、どのような形で企業に所属するかによって、活動の仕方や収入などに違いがあります。

ここでは陸上選手の収入や給料のしくみ、引退後の生活などついて解説します。

陸上選手の収入のしくみ

陸上選手の収入のしくみは、企業の陸上部員か、それともプロ選手かによって変わります。

まず、企業(実業団)の陸上部員の場合は、所属する企業の社員としての給料が支給されます。

企業によっては、大会で活躍したときには別途「報奨金」などが与えられることもあります。

一方で、プロ選手の場合は、月ごとの固定の収入はありません。

大会に招待された場合の招待料や、スポンサー契約料、イベントなどの出演料などで収入を得ることになります。

これらの金額は契約によって決まり、実力や人気、話題性が高い選手ほど高額になることが一般的です。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

陸上選手の平均年収・収入

日本の陸上選手の大半は企業の陸上部員

企業(実業団)に所属する陸上選手には、「社員選手」「契約選手」の2通りがあります。

社員選手は、一般的な社員と同じように各部門に配属されており、通常は午前中に社業をおこなって午後から陸上の練習をします。

大会期間中や大会が近づくと社業は免除されますが、基本的には毎日仕事をしながら、競技生活をサポートしてもらうというパターンです。

それに対し、契約社員は仕事をする必要はありません。

企業のサポートを受けて競技生活に専念できますが、選手を引退すると企業との契約が切れてしまうという点が特徴です。

なお、陸上競技の強い企業は契約選手が多く所属しています。

企業所属選手の年収

社員選手の主な収入は、同期社員と同等の基本給+競技者手当です。

基本給の額は企業によって違いますが、選手ではない一般社員と同程度で、就職1年目で手取り年収200万~300万円台ほどになります。

競技者手当の額は、個々の成績によって変わります。

大きな大会で活躍すれば、競技手当の分だけ一般社員より給料は少し高くなるでしょう。

しかし企業によっては、社員選手には競技者手当は支給しないこともあります。

契約社員の給料は、基本給部分については、社員選手の基本給よりも少し高くなっていることが一般的です。

また、大きな大会で活躍したときの競技者手当てや報奨金も、社員選手よりは多いです。

企業によって差がありますが、大きな大会で上位入賞すれば、数十万円の報奨金が出されるといわれています。

陸上選手のトップ選手の年収

他の人気プロスポーツと比べると少なめ

世界の陸上選手で最も稼いだ選手の一人に、男子100メートルの世界記録(9秒58)を持つウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)がいます。

2016年の年収は約34億円と報道されています。

賞金レースの賞金に加え、スポーツ用品メーカーやクレジットカード会社などとのスポンサー契約で莫大な収入を得ています。

しかし、サッカーや野球、バスケットボール、アメリカンフットボール、ゴルフなど、他の人気プロスポーツと比べると、陸上のプロ選手の年収は低めです。

実際、スポーツ大国のアメリカでも、陸上選手がプロとして稼ぐのは大変といわれています。

日本の陸上のプロ選手は一握り

日本の陸上選手で、過去にプロ宣言をした選手は限られます。

あくまで推定ですが、プロ選手の年収は数百万円から数千万円と見られています。

日本においては陸上の大きな大会も少ないため、プロとして生活しようと思えば、海外の大会を転戦しなければなりません。

そういう苦労も考えると、プロになりたいという人は少ないのが現実です。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

陸上選手の待遇の特徴

引退後は社業に専念する選手もいる

企業の陸上部員として引退までいた場合は、会社に残って仕事をすることも多いです。

箱根駅伝の5区山登り区間で快走を見せ「山の神」と称された、柏原竜二選手もその一人です。

柏原選手は大学卒業後に富士通に入社し、陸上競技部に入部しましたが、相次ぐ故障に悩まされて2017年、27歳で現役を引退。

その後は、陸上教室やゲストランナーなどもこなしながら社業に専念します。

さらに、2019年からはアメリカンフットボールチーム「富士通フロンティアーズ」のマネージャーに就任しました。

「富士通フロンティアーズ」は、社会人のアメリカンフットボールリーグの最高峰Xリーグで優勝するなど強豪チームとして知られるチームであり、現在はスタッフとして活躍しています。

知名度を生かしてタレントとして活躍

プロランナーとして活躍し、現役を引退した選手たちは、その知名度を生かしてスポーツコメンテーターやタレントとして活躍しています。

たとえば、高橋尚子さんは国内外で行われるマラソンの中継で解説を務めています。

また各地で行われるマラソン大会のゲストランナーやアンバサダーなど、陸上の楽しさを伝える存在としても活躍されています。

そのほか、選手の内面まで迫る丁寧な取材と、優しくもキレのある語り口でおなじみの増田明美さんも、現役引退後に解説者・タレントとして成功している例です。

陸上選手の収入の給料・年収・待遇のまとめ

陸上選手の給料は、おのおのの働き方や成績によって左右されるため、一概にいうことは難しいです。

日本では陸上の大会も少なく、プロとして活躍できるのは一握りで、多くの人は企業に所属したり、スポンサー契約をしたりタレントとして活躍したりしながら生計をたてています。