落語家のやりがい、魅力

大好きな落語三昧

落語家になりたいと志望する人は、まず自分が落語を聴いておもしろいと感じた経験があることでしょう。

長い下積み期間も含めて師匠に入門したその日から、どっぷり落語業界に身を置く生活が始まります。

落語そのものや一門の慣習など、とにかく大好きな落語三昧の毎日を過ごせることが何よりの魅力です。

尊敬する師匠の家事や雑用などのお世話をすることも、落語家の日常を勉強するうえでやりがいがある仕事だと考えられます。

雑用を務める、おおむね4年間の「見習い」や「前座」といった修業期間はほとんど休みがありません。

しかし大好きな落語に没頭して、全身で落語を吸収することができますから、時間を忘れてしまうかもしれません。

笑顔を提供できる

同じ修業時代でも前座に昇進すると、開口一番を務めるため高座(こうざ/舞台)に上がることができます。

勉強のためですから番組(プログラム)に名前は出ませんが、前座名はもらえますし、初めて観客と向き合うことになります。

最初は緊張するかもしれませんが、「二つ目」となって番組にも名前が出るようになり、自分が落語を演じることによって観客が笑ってくれるのは何ものにも代えがたい喜びでしょう。

落語三昧とはいえ伝統やしきたりに基づいた厳しい下積み期間がなぜ存在するかというと、観客に質の高い落語を提供するためでしょう。

観客を笑いの渦に巻き込み、笑顔の嵐が発生するほどウケたとき、落語家は言葉で表せないほど感動するのではないでしょうか。

実力が評価される

もちろん観客にウケなかったときは悲惨といっても過言ではありません。

「間」が悪かったのか、稽古が不十分だったのか、時代や観客の空気が読めなかったのか、何らかの原因はあるはずです。

ここで落ち込んでいるようでは悪循環が始まってしまいます。ウケなかった理由をしっかり研究し、噺(はなし)の構成や演出、仕草などのさまざまな勉強をして、新たな挑戦を繰り返すのです。

しっかり自己研鑽を積めば、結果は高座に表れるはずです。

観客はこうした努力を見逃しません。贔屓の客が増えることは実力が認められたという証です。

人気が出ると仕事が増えたり、割(わり/出演料)が上がったりします。

二つ目時代には仕事が少なく苦労することもありますが、実力が評価されると喜んでくれる人数も爆発的に多くなり、収入面でも報われます。

その点は落語家の醍醐味であるといえるでしょう。