落語家の需要、現状と将来性

落語家の現状

真打制度について

歴史的に、東京、上方(かみがた/近畿圏)のそれぞれから人気の落語家が多数輩出され、寄席や落語会、書物、録音物、ラジオ、テレビによって、落語が広く普及していきました。

ところが真打制度は選考基準がはっきりしないという問題がくすぶっており、1978年には「落語協会分裂騒動」へと発展しました。

当時会長だった五代目柳家小さん(やなぎや こさん)による真打大量昇進に反対した六代目三遊亭圓生が「落語協会」を脱退し「落語三遊協会」を設立した事件ですが、本人は翌年亡くなってしまいます。

結果的に、現在の東京では「落語協会」「落語芸術協会」「円楽一門会」(現「五代目円楽一門会」)「落語立川流」の4団体が主流となりました。

後者2団体は、圓生の弟子だった五代目三遊亭圓楽(さんゆうてい えんらく)、七代目(自称五代目)立川談志(たてかわ だんし)がそれぞれ設立しています。

上方では、昭和40年代のブームの際に、真打制度は事実上意味をなさなくなり、騒動の原因にもなることから消滅しています。

平成の落語ブーム

平成に入ってからの落語ブームで、落語に親しむ人が一気に増加しました。

1993年には三遊亭歌る多、古今亭菊千代という史上初の女流真打が誕生したり、1995年には五代目柳家小さんが落語家初の人間国宝に認定されたりしています。

また翌1996年には上方の三代目桂米朝(かつら べいちょう)が落語家二人目の人間国宝に認定されました。

そのほか、ドラマ『タイガー&ドラゴン』やNHK連続テレビ小説『ちりとてちん』、また『昭和元禄落語心中』といった落語をテーマとしたテレビドラマや漫画も人気を博しました。

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落語家の需要

昭和40年代の爆発的な盛り上がりから平成のブームが起きるまでのあいだ、お笑い業界は漫才やコント、バラエティ番組に押され、落語の行く末を心配する声もありました。

しかし再び活気を取り戻し、時代に合うよう常に進化しながら、伝統を紡いでいくと考えられます。

かつて落語業界はほとんど男性社会でしたが、女性落語家が続々誕生するなど間口もひろがっています。

落語ブームが続く現在、落語ファンも落語家志望者も増えてきており、落語家の需要も高まっていくでしょう。

落語家の将来性

「仕事のできるビジネスマンは落語を聞いている」といった切り口があります。

身ぶり手ぶりを交えたトークスキルや話の構成、落としどころなどは、さまざまなビジネスに応用できるでしょう。

娯楽としておもしろいことが大前提ですが、伝統芸能として名人技に触れたいという意識が、多くの人々を落語に向かわせる要因の一つになっていると考えられます。

時代のおもしろさを読み取ることができるかどうかによって、業界全体も個人の落語家としてもさまざまな将来が待ち受けているといえるでしょう。

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落語家の今後の活躍の場

もともと落語家は寄席と呼ばれる舞台で公演を行い、観客はそれを聞きに行くのが定番でした。

しかし近年では、さまざまな場所で気軽に落語に親しめるようになり、落語ブームを後押ししています。

地域で行われる小さな落語会や落語カフェは、定席よりもハードルが低いと初心者にも人気を集めています。

また、YouTubeなどの動画配信サイトやPodcastなどのインターネットラジオを利用して落語を楽しむ人も多いです。

スマートフォンやパソコンで手軽に落語を楽しめる時代になり、今後はこうした新たなツールを利用した落語家の活躍が期待されます。