落語家のつらいこと・大変なこと・苦労

落語家のつらいこと・大変なこと

下積み期間が長い

個人差はありますが、師匠と呼ばれる真打に昇進するまでには約14年かかります。

最初の約4年間は「見習い」「前座」という落語家の卵です。

この期間は師匠宅や寄席(よせ/演芸場)で雑用をおこないますので、そのぶん小遣い(給金)がもらえます。

ただし前座はほとんど毎日寄席に通い、空いた時間に稽古をつけてもらいながら開口一番を務めますので休みはありません。

現在は通いが増えていますが、住み込みで働くという伝統もあり、プライベートがまったくなくなることも考えられます。

しかしこうした落語どっぷりの長い下積み期間を務めなければ、一人前になることはできません。

落語志望者の増加

近年は落語ブームで落語家志望者は増加しており、業界全体に活気がある分競争率も激化しています。

また平成に入り女流真打が誕生しましたが、約400年もの歴史において落語家をつとめるのは男性しかできないと考えられてきました。

これは大半の女性落語家が、真打に昇進する前に辞めていたことも大きな理由です。

厳しい修業に耐え、他人との競争に打ち勝つ強い意志がなければ、落語家として一人前になることはできません。

仕事が少ない

約4年間の雑用期間を務めると、一人前の「二つ目」に昇進します。

真打に昇進するまでの約10年間は、雑用を行わない分収入が減ります。

割(わり)という出演料をいただきますが、定石(じょうせき/常設)の寄席にはなかなか出番がありません。

落語会を開催したり、ほかの落語会に呼んでもらったり、テレビやラジオ、営業と、とにかく自分で仕事を探さなければならないのです。

早くも人気や実力があれば問題ないかもしれませんが、仕事が少ない場合は生活面で大変な苦労をします。落語以外のアルバイトをかけもちせざるを得ない落語家もいます。

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落語家の悩み

大変な苦労をして真打に昇進することができたとしても、ここで研鑽を怠ってしまうと、その結果は高座(こうざ/舞台)に表れます。

観客にウケない、以前はウケていたところで笑いが起きない、全体的に評判が良くないということも珍しくありません。

古典落語であれば基本的に同じ噺(はなし)を繰り返すことになりますが、「間」が悪いとお客さまにはウケません。

たとえオチがわかっていても、何度聴いても笑ってしまう絶妙な間の取り方が存在するのです。

また歴史のある演目(ネタ)でも工夫を凝らすことによって、落語家独自のおもしろさが生まれます。

噺の構成や演出、仕草、表情、小道具の使い方など、勉強することはたくさんあり、稽古をおろそかにするとウケなくなるのは当然です。

落語家は落語を演じて笑ってもらうのが仕事で、しっかり稽古をして、その時代のおもしろさを追究することが重要です。

落語家を辞める理由で多いものは?

二つ目になる実力はありながら昇進せず、前座に留まる「へたり」という階級の人も多く存在します。

落語をせずお囃子を演奏して小遣いをもらう身分ですが、それほど二つ目時代は実力勝負ということです。

しっかり稽古をして、師匠にも観客にも認められる必要があり、そうでなければ二つ目を10年以上続けても真打には昇進できません。

落語家にとってはこの仕事の少ない時期がもっともつらいという声も多いですが、そのぶん自分のために時間を使うことができますから、腕を磨くチャンスを生かすことが大切です。