人間国宝の落語家

五代目柳家小さん(やなぎや こさん)

1995年、初めて人間国宝に認定された落語家は、五代目柳家小さん(1915-2002)でした。

長野県長野市出身の滑稽噺を得意とする東京の古典落語家で、落語協会7代目会長を務めました(1972-1996)。

立川談志(たてかわ だんし/1936-2011)の師匠であり、柳家花緑(やなぎや かろく/1971- )の祖父でもあります。

お蕎麦をすする仕草に定評がありました。十八番の演目(ネタ)は「笠碁」(かさご)や「強情灸」(ごうじょうきゅう)です。

ほかにも「長屋の花見」「かぼちゃ屋」「らくだ」「宿屋の仇討」「うどん屋」「湯屋番」「宿屋の富」「二人旅」「粗忽の使者」「あくび指南」「蜘蛛駕籠」(くもかご)「将棋の殿様」「御神酒徳利」「青菜」「不動坊」「禁酒番屋」など多数のネタを演じました。

三代目桂米朝(かつら べいちょう)

1996年、落語家として二人目の人間国宝に認定されたのは、三代目桂米朝(1925-2015)でした。また2009年には演芸会初となる文化勲章を受章しています。

兵庫県姫路市出身の上方の古典落語家で、現代の落語界を代表する存在であり、上方落語中興の祖あるいは上方落語四天王のひとりとして讃えられました。

米朝一門や米朝事務所をけん引して、テレビやラジオの番組あるいは映画にも出演し、著作も多数あります。さらに帝塚山学院大学の非常勤講師も務めました。

得意な演目(ネタ)は「口入屋」「足上がり」「地獄八景亡者戯」「百年目」「鹿政談」「骨つり」「たちぎれ線香」「本能寺」「天狗さばき」「阿弥陀池」「算段の平兵衛」「仔猫」「稲荷俥」(いなりぐるま)「七度狐」「千両みかん」などたくさんあります。

十代目柳家小三治(やなぎや こさんじ)

2014年、落語家史上3人目の人間国宝に認定されたのは、十代目柳家小三治(1939- )でした。東京都新宿区出身の東京の古典落語家で、落語協会顧問(2014- )を務めています。

落語家初の人間国宝となった五代目柳家小さんは師匠であり、師弟そろって人間国宝に認定されたことになります。

柳家のお家芸である滑稽話を得意とし、マクラ、本編、落ちという落語の構成のうち、マクラが非常におもしろいと言われました。

得意な演目(ネタ)は「あくび指南」「うどん屋」「かんしゃく」「小言念仏」「子別れ」「死神」「芝浜」「大工調べ」「茶の湯」「金明竹」「転宅」「鼠穴」「百川」「出来心」「花見の仇討ち」「もう半分」「宿屋の富」「三年目」など多数あります。