レーサーの運転技術、運動神経、視力

一般ドライバーはスピードが上がれば視野が狭くなる

自動車教習所に通うと、「スピードが速くなるほど、ドライバーの視野が狭くなる」と教えられます。

停止している時の視野は、両目で約200度といわれています。それが、時速40キロでは約100度、時速100キロでは約40度まで狭くなるそうです。

スピードが上がると、まず、視点が遠くに移動しやすくなります。

さらに、ドライバーの身体が緊張して視覚などの感覚が鈍くなるため、運転席に近い風景や物体が見えにくくなるのです。

レーサーに求められるのは、動体視力

しかし、レーサーは、常に時速200キロ、300キロで走行します。

視力という点でいえば、レーサーに求められるのは、通常の視力より動体視力です。

現実に、レーサーの場合、通常の視力はあまり問題になりません。たとえ近視でも、コンタクトレンズを入れているレーサーもいますし、最近はレーシック手術を受けるレーサーも増えています。

レーサーに必要なのは、時速200キロ、時速300キロで走行しても、周囲の風景や物体、コースの状況が的確に捉えられることです。

時速300キロにも動じず、集中力を発揮すること

また、レーサーに求められるのは、短距離走が速いとか、いろんなスポーツがこなせるといった運動能力より、人並みはずれた集中力といわれます。

時速200キロ、300キロで走りながら、路面の状態やタイヤグリップの変化、エンジンの状態などを身体全体で感じ取り、その情報をマシンの操作に的確に反映させていきます。

と同時に、競う相手と駆け引きし、ピットともコミュニケーションを取ります。この状態がレースによって1時間、2時間続きます。

時速300キロにも動じないスピード感覚と、人並みはずれた集中力がなければ、とても高いレベルのレースを完走することはできません。

また、レース中に集中力が途切れるようでは、大きな事故を起こしかねません。

資質があれば運転技術は向上する

超高速走行にも動じず、高い集中力と動体視力があれば、訓練すればするほど運転技術は上がってきます。

レーサーにとって、運転技術は、最初から求められるものというより、訓練によって向上させるものです。

それより、スピード走行でも動じない性格と動体視力、集中力の高さが資質として求められています。