パティシエの独立

パティシエを目指している人の最終的な夢の一つに「独立」があります。自分の名前の店を持ち、自分の思い通りの空間でオリジナル商品を販売できるのは、とても素敵なことですよね。

ここでは、パティシエが「独立して店舗を持つ」ということについて考えてみましょう。

まずはパティシエとしての技術を磨く

パティシエは、自分の腕一本で勝負する仕事です。男女は関係ない、実力主義の厳しい世界で生き残るには、お菓子作りの技術やセンスはもちろんのこと、洋菓子に関する幅広い知識、味の研究などが欠かせません。

資金さえあれば誰でもお店は開けます。しかし、現実的にはパティシエとして経験を重ね、技術と知識を高めたうえで独立しなければ成功は非常に難しいです。

実際に、独立して自分の店を出した人の多くは、国内の有名店や本場フランスなどで修業を積んでいます。

店舗経営には責任が伴う

パティシエとして認められるためには、腕(洋菓子作りの技術)とセンス(洋菓子の見た目の美しさ)の両方を持ちあわせていなければなりません。

ただし、店舗経営はそれだけでは成り立ちません。マネジメント能力、経営能力といったビジネス的なセンスも必要になってくるのです。

そのためには、経理の勉強やコスト意識を養うことが必要であり、経営の勉強をしていくことが不可欠です。

オーナーとして従業員を雇うということは、自分だけではなく従業員やその家族も背負うということ。独立開業には、それだけの責任が伴います。

独立のタイミング

独立する人の年齢はさまざまです。40歳を過ぎても有名店で働き続けるパティシエもいますし、数年修業をしたのち、20代後半で店舗を構えてしまう人もいます。

独立のタイミングは、自分が何を目的とした店舗を作るかによって変わってきます。

重厚な面持ちの店舗で、高級素材にこだわり、有名人などを相手にするような専門店を開きたいのであれば、高い経歴や技術・知識が必要となり、とても20代では実現が難しいでしょう。

逆に、デザインにこだわった焼き菓子やチョコレートなど、自分の世界観をぎゅっと押し込めた小さな店舗は、若手の新しい感性が発揮される可能性があります。

独立のデメリット

店舗を構えると、パティシエとしての役割は少し変わってきます。同じパティシエでも、「従業員」と「オーナー」ではまったく立場が別物になるのです。

オーナーの場合、経営がうまくいかなければ廃業となるリスクを常に考えておかなければなりませんし、リピーターが付かなければ、そのお店は数ヵ月も持たないかもしれません。

何から何まで自分一人でやるとなれば365日休みなしになってしまいます。そのため、経営を安定させるためには従業員を雇い、教育し、仕事を安心して任せられるようにする必要があります。

いちスタッフであればお菓子作りにだけ集中していれば良かったとしても、オーナーになるとお菓子作り以外の多くのところにまで目を向けなければならないのです。

始めはつらいことが多いかもしれませんが、真面目にお客さまが喜んでくれるお菓子を作り続けることで、経営はきっと軌道に乗っていくでしょう。

小額投資で開業することもできる

雇われパティシエを経て独立した人の中には、店舗を構えずに自宅で洋菓子作りをする人もいます。そういった人は自宅のキッチンを改装して業務用オーブンを入れるか、車庫や庭を改装して小さなお店を作ります。

大がかりな店を構えなくても、小額の投資で自分の感性を発揮した洋菓子作りをすることもできます。

店舗に勤務する場合と比べて作れる洋菓子の種類は減るでしょうが、その分素材にこだわったり、細かな工夫を凝らすこともできます。

このようにして、自分で作った洋菓子をカフェや雑貨屋、小さなホテル、旅館などに提供するパティシエもいます。

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