音楽家の一日のスケジュール・生活スタイル

音楽家の業務スケジュール

音楽家の業務スケジュールは、主に演奏会やコンサートといった仕事に合わせて動くため、一般的なサラリーマンのように固定的なスケジュールになることはありません。

その生活の中心には「練習」があり、一流の演奏家であっても1日に何時間も、本番までには何百時間という長い時間を練習に費やしています。

また、音楽家の中には後進の育成をしている人もいて、生徒に費やす時間と自身の練習に必要な時間を合わせると1日の大半を音楽に費やすことになるのです。

さらに、オーケストラのように楽団単位で活動する場合には仲間とのコミュニケーションに時間を使うこともあります。

どのような形で音楽に関わっているかによって異なりますが、音楽家は1日のうち多くの時間を音楽に費やすことになるでしょう。

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さまざまな音楽家の1日

一口に音楽家といっても、さまざまな立場で音楽に関わっています。

そこで、「ヴァイオリニスト」「指揮者」「作曲家」という、異なる立場の音楽家3人の1日のスケジュールについて解説します。

ヴァイオリニストの1日

6:00 起床
楽団に所属するヴァイオリニストは基本的に昼型の生活スタイルになるので、朝は早くに起床します。
8:00 事務作業
その日のスケジュールを確認し、必要に応じて書類や請求書などの整理を行います。
10:00 貸しスタジオで個人練習
この日は午後から楽団での全体練習がありますので、午前中に個人用の練習を行います。

気になるところを残して全体練習に参加することはできませんので、念入りにチェックして全体練習に臨みます。

12:00 昼休憩
スタジオ近くか、全体練習の会場となる会場の近くで昼食をとります。

場合によっては楽団の仲間と一緒に食事をとることもあり、音楽関連の話題や日常的な会話を楽しみます。

14:00 会場入り
全体練習の場所となる会場に入り、楽器の手入れなどを行います。

また、同じパートの人との打ち合わせなども行い、全体練習に備えます。

15:00 全体練習
全体練習に参加します。

毎日のように会場を使っての全体練習はできないため、本番さながらの精度の高い練習を行います。

18:00 全体練習終了
全体練習が終了したら、全体への連絡を行い、その後はパートごとに分かれての反省会などを行います。
20:00 食事会
特に本番まで時間があるときは全体で集まることは珍しいので、反省会と親睦会を兼ねて食事会を行うことも多いです。
22:00 帰宅
食事会を終えたら、帰宅します。

なお、遠方での演奏会に参加する場合にはホテルなどの宿泊施設に泊まることもあります。

指揮者の1日

6:00 起床
ヴァイオリニスト同様に昼型の生活スタイルになるため、朝は早くに目を覚まします。
8:00 事務作業
指揮者は楽団を率いる立場にあるため、さまざまな人たちからメール等で連絡が行われます。

朝食を済ませてからメールチェックを行い、必要に応じて各所に連絡を行います。

9:00 楽譜のチェック
楽譜を読み込むことは、指揮者にとって重要な仕事の1つとなります。

ちなみに、すべてのパートの楽譜が1枚に掲載されている指揮者用の楽譜のことを「スコア」といいます。

12:00 会場近くで昼食
全体練習を行う場合、指揮者は早めに現地入りしておくことが望ましいため、会場の近くで昼食をとることも多いようです。

同じように早めに現地入りする楽団のメンバーがいれば、一緒に昼食をとることも多いです。

14:00 打ち合わせ
会場入りし、楽団のメンバーと打ち合わせを行います。

多くの場合は各パートの責任者を集めての打ち合わせとなります。

15:00 全体練習
予定の時間になったら、全体練習を開始します。

日によってはパートごとの練習に参加することもあるため、行う指示も日によって大きく異なります。

18:00 練習終了
練習が終了したら、全体への指示を行い、その日の練習スケジュールが完了します。
20:00 食事会
指揮者は楽団を率いる立場として、関係者との食事会に参加することもあります。

そうでない場合には、楽団の仲間と一緒に食事をとることも多いです。

22:00 帰宅
帰宅し、翌日の準備をしてから就寝します。

作曲家の1日

8:00 起床
作曲家は人によって昼型・夜型が異なりますが、この作曲家の場合は昼型の生活スタイルになっているようです。

一般的に少し遅めの起床となりますが、スケジュールをこなすには十分な時間となります。

10:00 メールチェック
作曲家はさまざまな人と関わる仕事でもあるため、毎日のメールチェックは欠かせません。

日によっては朝のメールチェックだけで数時間も費やすこともあるようです。

11:00 楽曲の制作開始
事務作業を終えたら、作曲家の本分である楽曲制作を開始します。

依頼された楽曲のイメージに沿って、あるいは自身が持つイメージに沿って楽曲をつくります。

13:00 昼休憩
昼休憩は、作曲家の都合に合わせて前後させることが容易です。

この日は少し遅めの昼食となっているようです。

14:00 楽器音を入れる
この作曲家はアイドルグループへの楽曲提供のために作曲をすることが多く、ギターやシンセサイザーなどの楽器音を入れていきます。

おおよその楽器音を入れた後は、クライアントが聴きやすいように音のバランスを整えます。

15:00 クライアントへの連絡
楽曲が完成したら、クライアントに楽曲のデータを送信します。
16:00 次の楽曲制作を開始
作曲家は、1曲作り終えてもそれで仕事が終わりというわけではありません。

人気の作曲家ともなれば多方面から楽曲制作の依頼が舞い込むため、同時に何件もの依頼を抱えることも珍しくありません。

19:00 夕食
この日はまだまだ楽曲制作に時間を費やす予定となっているため、しっかりと食べて英気を養います。
20:00 楽曲制作再開
夕食と休憩を終えたら、楽曲の制作を再開します。
翌日1:00 就寝
この日は日付をまたいで楽曲制作を行っています。

作曲家は納期を守ることが重要であるため、特に納期ギリギリになってしまった場合には徹夜して睡眠時間を削ってでも楽曲制作に取り掛からなければなりません。

音楽家のスケジュールの小ネタ集

個人での活動だと自由度が高い

楽団などに所属せず、個人で活動する音楽家のスケジュールは、比較的事由度が高いです。

もちろん、演奏家であれば練習が、作曲家であれば楽曲制作に時間を費やす必要はありますが、1日のどこに何時間費やすかは自分で自由に決められます。

個人で活動する音楽家の中には夜型生活を送っている人も珍しくありません。

楽団に所属するとスケジュールの自由度は低い

楽団などに所属して音楽家として活動する場合は、スケジュールの自由度は低いです。

どうしても他のメンバーとの兼ね合いもあるため、個人練習のみの日を除けばしっかりとしたスケジュールを組んで行動することになります。

そのため、基本的に昼型の生活スタイルになることが多いです。

特に本番間近になると全体練習の頻度も高まるため、予定したスケジュールに対してルーズな態度をとると仲間からのひんしゅくを買うことになります。