女性の音楽プロデューサーのキャリアパス・結婚後の生活

女性の音楽プロデューサーの現状

日本に限らず世界的にみても、音楽業界で活躍する女性プロデューサーの数は、男性のプロデューサーに比べて極端に少ないのが現状です。

近年、南カリフォルニア大学の研究によって、アメリカの音楽業界における男女格差が浮き彫りになっています。

2019年に発表された調査報告によると、ビルボードチャートのホット100に登場した2012年から2018年の楽曲サンプル700曲のうち、女性ソングライターが作曲した割合は全体の12.3%、女性プロデューサーが制作した割合はたったの2.1%だったことがわかりました。

大手レコード会社で重役に就いている男女比をみても、約7割を男性が占めており、音楽業界は基本的に男性中心の社会であるといえます。

しかし最近では、音楽業界の男女格差の解消を訴えるマドンナやレディ・ガガなど有名女性アーティストの発言が取り上げられ、その状況は変わりつつあります。

日本でも音楽業界に貢献した女性を表彰する「Women in Music Lifetime Legend Award」が2019年に開設され、音楽産業に携わる女性の権利向上や意識改革が進んでいます。

最近では、若い世代でも女性の進出が目立ち、女性のアーティストやDJが音楽プロデューサーとしても活躍し、世界的な評価を受けているケースが出始めています。

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女性の音楽プロデューサーの強み・弱み

女性音楽プロデューサーの強み

音楽プロデューサーの業務は多岐にわたり、レコーディングと並行してCDジャケットのデザイン打ち合わせやプロモーション展開の会議を行うなど、多忙になりがちです。

女性は共感力やコミュニケーション能力が高い傾向があり、脳科学的にみて、いくつもの作業を同時にこなすことが得意という意見もあります。

マルチタスクを強いられ、どれだけ人から共感を集め、周りを巻きこんでいけるかが問われる音楽プロデューサーの仕事は、女性が力を発揮しやすい分野といえます。

また女性アーティストのなかには、精神的なケアも含めて女性の立場を理解してくれる同性のプロデューサーがスタジオ内にいると、安心してレコーディングに臨めるという人もいます。

女性音楽プロデューサーの弱み

音楽プロデューサーは、レコーディングなどでは連日深夜・朝方まで作業し、休みが十分に取れないこともあるなど、不規則な勤務体制になりがちです。

女性でも男性プロデューサーとまったく同じ仕事量をこなす必要があり、女性にとっては体力的に負担が大きいといえます。

またレコード会社などでは意思決定権が男性にあることがまだまだ多いので、女性プロデューサーが自分の意見を通す際は、上層部とうまくコミュニケーションを取る必要があるという大変さがあります。

しかし最近の音楽業界では、労働条件が厳しい部署にも女性の進出が増え、女性の管理職の役割も期待されています。

音楽プロデューサーの結婚後の働き方・雇用形態

一般的には、女性は結婚や出産をすることで働きにくくなったり、役職を退かざるを得ないケースが多いものです。

しかし、女性アーティストが身重でもレコーディングやライブ活動を行い、出産後間もなく音楽活動に復帰する例が多数見られるように、音楽業界は女性に優しく、ある程度融通がきく環境だといえます。

音楽プロデューサーの仕事においては、CDのリリース予定日、ライブの日程など、決して動かすことができないスケジュールに縛られ、ハードな職務を強いられているイメージを持つ人も多いでしょう。

しかし、業界内に「やるべきことをしっかりやっていれば、あとはお咎めなし」といった風潮があり、自分のペースでメリハリのある働き方ができるという特徴があります。

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音楽プロデューサーは子育てしながら働ける?

上記のように、音楽業界は一般的な業界に比べて自由度が高く、柔軟な働き方ができます。

前日の勤務が深夜に及んだ際は、次の日は午後からの出社が認められることもあります。

以前は子育てのために退職をする人が多くいましたが、最近では結婚後も働きやすい雰囲気や環境を作っている会社が増えています。

ただし音楽プロデューサーの仕事は、レコーディングやミックスダウンの作業で連日徹夜になることも珍しくなく、不規則な生活になりがちです。

実際に子育てをしながら働くのは簡単ではありませんが、配偶者や家族の協力を得て、仕事と家庭を両立させながら活躍している女性プロデューサーもいます。

音楽プロデューサーは女性が一生働ける仕事?

近年では、アーティストやDJが音楽プロデューサーも兼ねて活躍するケースや、音楽プロデューサーが独立してフリーランスになるケースも多く見受けられます。

このような場合は定年がなく、女性でも実力次第で長く働くことは可能です。

音楽プロデューサーは、その職務に就くまでに様々な下積み経験を経て、音楽の専門的な知識やスキルを身につけてきた人だけがたどり着ける職種です。

最近では、音楽業界に携わる女性の権利向上や雇用機会促進を進める動きが世界的に広まりつつあります。

今後、音楽業界における女性の働き方がさらに改善していけば、女性音楽プロデューサーの需要も高まっていくと考えられます。

ただし心身ともにハードな仕事だけに、女性が一生続けていくには、人一倍体調管理には気をつける必要があります。