入国警備官の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説

入国警備官の業務スケジュール

仕事は分業でおこなわれる

入国警備官の業務は「違反調査」「摘発」「収容」「送還」の4つに分けることができますが、1人の警備官が一度に全ての業務に関わるわけではありません。

違反調査担当なら違反調査、摘発担当なら摘発…というように、各担当者がこれらの業務を分業して携わっています。

そのため、どんな1日になるかは自分が担当する業務や職場によっても異なります。

入国警備官の勤務体系は配属先によってさまざまで、9時から17時ころまでの日勤のところもあれば、早朝勤務や深夜勤務を含むシフト制が採用されているところ、当直勤務があるところもあります。

そのため、時には不規則な生活リズムを強いられる可能性もあることは覚悟しておく必要があるでしょう。

ただし、ひとつ共通点としていえるのは「1日7時間45分勤務」もしくは「交代制勤務」の2パターンがある点です。

また、取り調べが長引いたり、違反者の摘発をおこなう場合などは、仕事が時間通りに終わらないことも珍しくありません。

日勤で働く場合においても、勤務時間は不規則になる傾向が強いといえます。

1日7時間45分勤務の場合

1日7時間45分勤務をおこなう場合は、一般の会社員と同様に朝から夕方までの勤務となります。

違反調査ひとつとっても、メールや電話などで寄せられた情報をまとめるなどデスクワーク中心で作業することもあれば、自分の足で情報を集めるために1日中外を出歩くような日もあるでしょう。

有力な情報が寄せられれば時間を問わず動く必要があり、摘発業務では違反者の動きを見ながらあえて早朝や深夜を狙うこともあります。

基本的には、案件に応じて5~6人程度の班を作り、班ごとに行動します。

また、遠方での摘発が予定される際は、前日から現地へ出向くこともあります。

このように、勤務時間は決まっていても現実は不規則な生活になりがちです。

送還業務に携わる場合は2人1組で動くのが基本ですが、案件が多い場合には1人で100人以上の外国人を担当しなければならない場合もあるようです。

なお、入国管理局などには仮眠室があり、そこで泊まり込みをすることもあります。

交代制勤務の場合

収容施設で警備を担当する場合は、平日・休日問わず24時間体制を敷かなければならないため、交替制勤務となります。

具体的には「昼間勤務」と「昼夜間勤務」の2種類があり、深夜勤務や土日出勤も必要になる仕事です。

交代制勤務は1日の勤務時間が長くなるため隔日勤務となり、勤務日の翌日は非番となっています。

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入国警備官の休日

入国警備官の休日は、土日祝日が休みの週休2日制です。

休日に出勤することは基本的にありませんが、摘発や送還などの業務が入る場合もあります。

ただし、シフト勤務体制をとっている職場の場合は必ずしも土日祝日が休日となるわけではなく、4週間につき8日の休日と定められています。

休暇に関しては、年間20日の有給休暇(4月採用の場合、採用の年は15日)のほか、夏季休暇や結婚休暇などの特別休暇、病気やけがによる療養期間に使える病気休暇、ボランティア休暇などがあります。

最大90日間の介護休暇も取得可能です。

それ以外にも、子どもが1歳になるまでは、共済組合から手当てをもらいながら休業が可能な育児休業制度があるなど、手厚い休暇制度が整っています。

入国警備官の残業時間

「公務員だから定時で帰れそう」と思うかもしれませんが、入国警備官の仕事は予想していなかった業務が突如発生することも少なくありません。

外国人違法者に関する情報が入れば、業務時間に関わらず調査にあたらなければいけない場面もあります。

特に違反者の摘発をおこなう場合などは、定時の時間に関係なく業務を遂行する必要性があるでしょう。

このように残業が発生する場面は比較的多いといえますが、所定の勤務時間を超えた分はしっかりと残業手当が支給されます。

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入国警備官に夜勤はある?

入国警備官は9時ごろから17時ごろまでの日中に働くのが基本ですが、違反者の摘発など、業務によっては早朝や深夜に仕事をおこなうこともあります。

また、違反者を収容する入国管理センターの警備など24時間体制での業務が必要な職場では、交替制勤務(昼間勤務と昼夜間勤務)で対応しなければいけません。

日勤だけでなく、夜勤で働くことも覚悟しておく必要があるでしょう。

なお、交代制勤務の場合は出勤の翌日が非番となり、実質休みとなります。

入国警備官は忙しい?激務?

入国警備官は全体の人数も決して多くないため、限られた人数で案件を確実にこなさなければならず、職場によってはどうしても残業が多くなりがちです。

担当業務によっては深夜や早朝の業務も避けられないため、体力的な厳しさを感じることもあるでしょう。

とくに年末年始やお盆休みといった出入国者の増加する時期は繁忙期となり、その期間は連日帰るのが遅くなってしまう可能性もあります。

入国警備官の休日の過ごし方

入国警備官が日頃相手にするのは、言語も文化も日本とはまったく異なる海外の人たちです。

そういった外国人を相手に「摘発」や「収容」などのプレッシャーのかかる仕事を遂行しなければいけないため、無意識のうちにストレスを溜め込んでしまう人も多いでしょう。

そのため、休日には友人と会ったりのんびりショッピングを楽しんだりと、しっかりオン・オフを切り替えている人が多いようです。

シフト勤務の場合は休みが平日になることも多いため、土日の混雑さを避けながら出かけられるといったメリットもあります。

空港で働く入国警備官の1日

先ほどご説明したとおり、入国警備官のスケジュールや勤務体系は担当する業務によってさまざまです。

一例として、まずは空港の調査業務を担当する入国警備官の1日をご紹介します。

国際空港は早朝や深夜にも外国人の出入国があるため、24時間体制で勤務にあたります。

12:00 出勤
前日の担当者から引継ぎを受けます。
12:30 パトロール
空港内を巡回し、怪しい外国人がいないかチェックします。
16:00 取り調べ
入国審査官から引き渡された外国人の身辺調査をおこないます。
0:00 仮眠
一旦業務を終了し、仮眠休憩に入ります。
5:30 業務再開
再び空港内をパトロールし、外国人の不審な動きなどに目を光らせます。
12:00 帰宅
翌日の担当者に引継ぎをおこない、帰宅します。

地方出入国在留管理局で働く入国警備官の1日

続いて、地方出入国在留管理局で働く入国警備官の1日をご紹介します。

こちらは空港での勤務とは異なり、一般の会社員と同様に朝から夕方までの時間で働くケースが多いです。

8:15 登庁
窓口の受付開始時間を9時と設定している管理局が多いため、少し早めに登庁してその準備をおこないます。
9:00 受付・デスクワーク
全体連絡事項などについて確認します。

その後は窓口対応や、各関係者からの電話・メールに対応します。

12:00 休憩
昼食を食べて午後からの仕事に備えます。
13:00 情報収集のため外出
一般人からの有力な情報が寄せられれば、詳しい調査のために現場に出向く場合もあります。

必要であれば夕方以降から外出しなければいけない場合もあり、勤務時間を大幅に超えてしまうこともあります。

16:00 外出先から戻り、再びデスクワーク
出張の報告書をまとめたり、現場で集めた情報を整理して違反者の特定に役立てます。
18:00 退庁
情報整理や日報作成などをおこない、問題なく完了すれば退庁となります。

ただし、外国人違反者に関する重要な情報などが入れば、必要に応じて残業をおこなうときもあります。