【2023年版】入国警備官採用試験の難易度と倍率の推移

入国警備官採用までの流れ

入国警備官になるには、まずは法務省が実施する「入国警備官採用試験」に合格する必要があります。

採用試験は、筆記試験に加えて人物試験(面接)や体力検査も実施されますので、勉強面だけでなく体力面もしっかりと鍛えておくことが必要です。

また、視力や色覚異常などに関する基準も設けられていますので、受験案内をあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

無事試験に合格した後は「採用候補者名簿」に名前が記載され、成績順にいずれかの「地方出入国在留管理局」または「入国管理センター」に採用されます。

ただし、試験に合格しても基本的には成績順での採用となるため、欠員状況などによっては内定を得られない可能性があります。

筆記試験・体力測定ともに、できる限り上位の成績で突破することが必要になるでしょう。

採用後は合宿形式で約3ヶ月間の「初任科研修」を受講し、入管法などの法律、外国語、逮捕術、拳銃の取り扱い、武道など、業務に必要な知識や技能を学びます。

そして研修修了後に各施設に配属され、入国警備官として働くことができるようになります。

入国警備官になるには

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入国警備官の受験資格

入国警備官採用試験には「警備官」「警備官(社会人)」の2区分があります。

それぞれの受験資格は以下の通りです。

  1. 警備官…高校または中学校を卒業してから5年を経過していない者。もしくは、翌年の3月までに高校または中学校を卒業見込みの者。
  2. 警備官(社会人)…「1.警備官」で規定する期間を経過した者で、40歳未満の者。

留年などをしていなければ、高校卒業後は23歳まで受験が可能という計算になります。

短大や専門学校、4年制大学などの在学中、あるいは卒業後でも、多くの人は受験資格があるでしょう。

なお、中卒でも受験は可能ですが、入国警備官の筆記試験は高校卒業程度のレベルとなっているため、高卒以上で受験するほうが望ましいでしょう。

参考:法務局 入国警備官採用試験

入国警備官の合格難易度

採用予定者数は毎年200人程度

入国警備官の採用試験は毎年実施されていますが、採用人数は例年200人程度とあまり多くはありません。

年によっては100人未満しか採用しないこともあります。

倍率などは年度によっても大きく異なりますが、2021年度の合格倍率は約33倍となっている点を見ても、非常に倍率の高い試験だと考えてよいでしょう。

景気が悪く公務員に人気が集まるタイミングでは相当な倍率に達するケースもあります。

また、入国警備官の採用試験は「女性の申込者が比較的多い」という特徴があります。

全申込者のうち毎年20~30%を女性が占めており、最終合格者を見ても同程度の割合が女性となっていることから、女性でもチャンスの多い試験だといえるでしょう。

社会人区分もあるが、合格率は極めて低い

「警備官(社会人)」区分での受験も可能ですが、高校または中学校を卒業してから5年を過ぎてしまった人でも、40歳未満であれば社会人区分で受験ができます。

しかし、社会人枠の採用人数は例年数名程度にすぎず、一般での受験と比べて非常に狭き門となっています。

高卒で民間企業に就職した人も卒業後5年未満であれば一般枠で受験ができますので、入国警備官への転職を考える場合はなるべく規定期間内に受験すべきといえるでしょう。

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入国警備官採用試験の申込者数・合格率・倍率

入国警備官採用試験申込者数の推移

入国警備官採用試験の申込者数は2012年度試験において大幅に増加しましたが、2013年度以降の試験では元の水準に戻り、2022年度は1,822人となりました。

入国警備官採用試験申込者数の推移_2022

入国警備官採用試験合格倍率の推移

入国警備官採用試験の合格倍率は年度によってバラつきがあります。2022年度採用試験の倍率は前年度より大幅に下降し10.5倍となりました。

合格者数は2020年度400人、2021年度65人、2022年度174人となっています。

入国警備官採用試験合格倍率の推移_2022

2022年度 入国警備官採用試験合格者男女比率

2022年度の合格者174人の内訳は男性120人、女性54人となっています。合格者に占める男女比率は男性69.0%、女性31.0%となりました。

入国警備官合格者男女比率_2022

2023年度 入国警備官採用試験の概要

試験日 ・第1次試験日:2023年9月24日(日)
・第2次試験日:2023年10月24日(火)~10月26日(木)
試験地 札幌市,仙台市,東京都,名古屋市,大阪市,広島市,高松市,福岡市,那覇市
受験資格 <警備官>
(1)2023年4月1日において高等学校又は中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して5年を経過していない者及び2024年3月までに高等学校又は中等教育学校を卒業する見込みの者
(2)人事院が(1)に掲げる者に準ずると認める者

<警備官(社会人)>
1983年4月2日以降に生まれた者
 (上記1の(1)に規定する期間が経過した者及び人事院が当該者に準ずると認める者に限る。)

※次のいずれかに該当する者は不合格となります。
・裸眼視力がどちらか1眼でも0.6に満たない者(ただし,矯正視力が両眼で1.0以上の者は差し支えない。)
・色覚に異常のある者(ただし,職務遂行に支障のない程度の者は差し支えない。)
・四肢の運動機能に異常のある者

試験内容

一次試験

<基礎能力試験(多肢選択式) >
公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記
試験出題数は40題、うち知能分野20題(文章理解、課題処理、数的処理、資料解釈)、知識分野20題(自然科学、人文科学、 社会科学)
<作文試験>
文章による表現力、課題に対する理解力などについての筆記試験

二次試験

<人物試験>
人柄、対人的能力などについての個別面接
<身体検査>
主として胸部疾患(胸部エックス線撮影を含む。)、血圧、尿、その他一般内科系検査
<身体測定>
視力、色覚についての測定
<体力測定>
上体起こし、立ち幅跳びによる身体の筋持久力等についての検査

体力検査の内容

基準に達しないものが一つでもある場合は、体力検査で不合格となります。
・上体起こし(筋持久力):ひざを曲げ、あおむきに寝た姿勢で、30秒間のうちに何回上体を起こすことができるかを検査します。男子21回以上、女子13回以上を基準とします。
・立ち幅跳び (瞬発力 ): 立位姿勢から両足踏み切りで前方にどれだけ跳躍することができるかを検査します。男子205㎝以上、女子147㎝以上を基準とします。

合格倍率 10.5倍(2022年度)
合格発表 ・第1次試験日:2023年10月11日(水)
・第2次試験日:2023年11月21日(火)
採用予定数 ・警備官:約95名
・警備官(社会人):若干名
詳細情報 出入国在留管理庁 入国警備官採用試験