ベンチャー企業の農業への進出

ベンチャー企業とは

ベンチャー企業とは、革新的な知識や技術を創造する中小規模の新興企業を意味する和製英語で、アメリカではスタートアップといいます。

とくに1990年代後半にカリフォルニア州のシリコンバレーでIT(情報技術)企業が急成長したことでブームになりました。

ソフトウェア(コンピュータプログラム)などインターネット関連のハイテク企業のイメージが強いと思われますが、ベンチャー企業はさまざまな分野に進出しています。

農林水産省による事業との関連

農業にも進出しているベンチャー企業ですが、国内で勢いが増したのは農林水産省による事業などもその要因のひとつといえるかもしれません。

たとえば平成9年に開始された「官民連携新技術研究開発事業」や、平成22年に公布された「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律」いわゆる「6次産業化・地産地消法」などです。

また「革新的技術緊急展開事業(うち産学の英知を結集した革新的な技術体系の確立)」は、農林水産省の予算により国立研究開発法人「農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)」の「生研センター(生物系特定産業技術研究支援センター)」が実施しています。

こうした研究コンソーシアム(共同体)に農業法人やベンチャー企業が関わっているのです。

国内企業の農業への参入

国内の農業ベンチャー企業としては、農業スクール「アグリイノベーション大学校」の運営や貸し農園などの事業を行う株式会社「マイファーム」、農業体験や市民農園を提供する株式会社「アグリメディア」、アグリビジネス開発事業を展開する株式会社「オリザ」などがあります。

さらに平成21(2009)年に施行された「改正農地法」によって一般企業が農業に参入しやすくなりました。

その詳細や事例は農林水産省のサイトにまとめられていますのでご参照ください。

農林水産省 企業等の農業参入について
http://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/sannyu/houzin_jirei.html

またセブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂やイオン、ローソン、モスフードサービス、トヨタ自動車、富士通、NEC、大林組といった大企業も続々と農業に参入しており、先進の農業法人やベンチャー企業などとも連携してそれぞれに新たな展開を示しています。

スマート農業の展望

アメリカのインターネット関連の多国籍企業グーグル(Google)も農業に参入しています。

2014年にエリック・シュミット会長が企業集団「FARM2050」の発起人になったり、2015年に傘下の投資会社グーグル・ベンチャーズ(Google Ventures)が農業スタートアップのファーマーズ・ビジネス・ネットワーク(FBN)に1500万ドルを提供したりしているのです。

日本でもIT(情報技術)やICT(情報通信技術)を活用した「スマート農業」に注目は集まっており、栽培、畜産、販売、経営、精密農業などソリューション(解決策)ごとに成長が期待されています。

農業クラウド(グループウェア)や複合環境制御システムを導入して飛躍的な成果をあげている事例などもありますから、今後ますます「スマート農業」の市場規模は拡大することでしょう。

ただし農業に参入したものの撤退せざるを得なかった企業もでてきていますので、進出するまえにそれぞれの経営展開の違いをじっくり見きわめる必要があるかもしれません。

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