庭師野村 ゆみさん

1976年京都生まれ。埼玉の大学で管理栄養士の資格を取得後、病院に就職し、管理栄養士として勤務。退社後、千葉大学園芸別科で2年間学び、28歳時に造園会社に就職。1年半の勤務の後、2008年に庭師として独立。

座右の銘:超えられない試練はない

HP:花蝶園ホームページ / 女庭師のお仕事日記

庭師に向いている人というのはどのような人でしょうか?

先ほど言った「感性」も大事ですが、まずは大前提として「自然が好き」ということが条件になると思います。

また「やさしさ」も大切です。「植物は生き物」という意識を持っていなければなりません。日々表情が変わりますし、愛情を持って接することができる人が庭師には向いているのではないでしょうか。

それと「体調管理」ができることも重要です。庭師の仕事は、暑い日も寒い日も外で一日中仕事をしなければなりません。重いものを持つことも多いので、かなりの重労働になります。

体力を使う日々が続きますし、腰やひざを痛めることもありますが、体が資本ですので、休むわけにはいきません。きちんと自分の体調を管理できないと仕事ができない厳しい世界です。

女性として苦労することはありますか?

体力的な問題もあるのですが、この業界は男性中心の社会ですので、女性の立場はまだ確立されていないというのが現状です。設計の分野は女性も増えてきていますが、現場では、まだ女性はほとんどいません。

ですが、仕事の終わりに剪定した枝や花で小さな花束をお客さまに差し上げるなど、女性ならではの心づかいで喜んでもらえることもあります。

男性とは違う感性を活かして、庭造りができるのではとも思っています。

庭師を辞めようと思ったことはありますか? またやりがいを教えて下さい。

今まで庭師を辞めようと思ったことは一度もありません。樹木の剪定も庭造りも、とても楽しいです。

独立してからは、材料を調達して、それを見極めて、下処理してと、すべて自分の責任で庭をつくっているので充実感がありますね。自分のイメージどおりの、いい庭ができると疲れも忘れます。

お客さまから、「図面じゃわからなかったけど、こんないい庭になったんだ!」と言われたときは、すごく嬉しかったですね。

これからの庭師に必要なものは何でしょうか?

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建築分野とのコラボレーションが大事になると考えています。現在、建築士と庭師との関係は、それほど密なものではありません。建築士は庭のことをあまり考えず、庭師は言われたとおりに作業をするという現場が多いように感じます。

この状態はどちらにも問題があると思うのですが、庭師に関していえば、建築の知識が足りないのが一つの原因です。

これからの庭師は、言われたことをやるだけではなく、もっと建築の知識を増やして、建築士と対等に意見を言い合える関係を築く必要があると思います。そうしてはじめて、庭師の感性を十分に発揮することができるのではないでしょうか。

個人の庭だけでなく、マンションやビルなどにも植物が取り入れられることが増えてきています。建築士と庭師のコラボが進めば、もっと素晴らしいものが作れると考えています。

最後に庭師を目指す方にメッセージをお願いします。

とくに女性で庭師を目指している方へのメッセージになりますが…。

この業界はいわゆるガテン系の社会です。「女性にはできない」と言われることも多いですし、制度も整っているとはいえません。

マイナスなことをあげていけばキリがないですが、庭師の仕事を本当にやりたいのであれば、めげずに立ち向かっていけば道は開けると思います。

ただし、女性だけでなく男性でも厳しいといわれる世界です。半端な気持ちでは続かないと思いますので、決意が必要です。

とはいえ、私も最初はそこまで決意して、この道を目指したわけではないので、あまり強くはいえませんが(笑)

男女問わず、植物が好きな方には天職になる仕事かもしれないので、少しでも興味があればいろいろと調べてみてください。