庭師の道具

職人にとって道具は命

すべての庭師は、その人だけが持つ、大切なこだわりの道具を間違いなく持っているはずです。それぞれが大きさや重さ、用途、色、機能、感触などで道具を選び、自身の身体の一部として大切にしています。

中には、自分の道具を他人には絶対に触らせないという庭師もいるほどです。

庭師の仕事は道具によって、仕上がりが大きく異なってくるため、道具選びも大切な仕事の一つであるといえます。

まさに、庭師にとって「道具が命」と言っても過言ではないのです。

「腰道具」とは

屋外で作業する庭師の腰に何かがぶら下がっていることを知っている人も多いでしょう。

木ばさみ・剪定ばさみ・のこぎりの3点を「腰道具」あるいは「腰回り」といい、庭師はこれを専用のケースに入れて常に身に着けています。

腰道具は庭師にとって体の一部であり、最もこだわりが出やすい道具でもあります。

腰道具は無数に種類があり、形状や価格帯もさまざまです。

適切な手入れを施すことで長きにわたって使用することができ、奉職当時から同じものを使用しているという庭師も少なくありません。

清掃用具も立派な庭道具

庭木の剪定には切り落とした枝や葉などのゴミが多く出ます。この処理も庭師の仕事に含まれるため、清掃用具も欠かすことのできない庭道具であるといえます。

竹ぼうき、熊手は場所に応じて大きいものと小さいものとを使い分けます。これらも手入れ次第で長く使用することができるものです。

またいわゆるちりとりにあたるのが、「箕(み)」と呼ばれる道具です。箕はゴミを集めるだけでなく砂利などの運搬にも使用できるため、重宝します。

高所作業には欠かせない脚立

庭木の剪定の際は梯子や脚立が必須です。これは常に移動車に積み込まれています。

場合によっては高枝剪定鋏で地上から作業をすることもありますが、ほとんど、庭木に梯子をかけて上り、腰道具を使って剪定していくことになります。

剪定に使う道具としては腰道具の他に、芽切り鋏や刈り込み鋏、枝打ち鎌などさまざまな種類がありますが、基本的には腰道具で対応することがほとんどです。

機械類の扱いにも技術が不可欠

チェーンソーやヘッジトリマーなど、電源を使う庭道具もあります。スイッチを入れれば電源はつきますが、適切に扱うには高い技術を必要とします。

慣れない人が安易に使おうとすると重大な事故につながる危険性があるので注意が必要です。実際、見習いの庭師がこれらの機械によって大怪我をしてしまったという事例は数えきれません。

他にも、草刈り機や芝刈り機は現場によっては欠かせない道具の一つです。ブロアと呼ばれる機械は清掃の際などの時間短縮に一役買います。

身体一つで行う作業が多い庭師の世界ですが、作業効率化のためには、このような機械が必要不可欠なのです。

扱う案件に応じた道具選び

植栽や土工、地ならしを依頼された場合、スコップやレーキなどを使用します。解体の際はバール、石材工事にはハンマーが必須です。

その他にも耳慣れない専門の工具が無数に存在します。また、各種運搬には台車や一輪車が必要となります。

依頼された仕事に対して必要な道具を選び、適切に扱うことは庭師の技術の一つであるといえるでしょう。