宮大工の役割

歴史ある建築物を守る

現在全国にある神社や仏閣の中には古いもので築数百年が経っているというものも少なくありません。このように長きにわたって守られ続けてきた建築物を修繕してきたのが宮大工と呼ばれる職人です。

神社や仏閣は「木組み」と呼ばれる釘や補強金物を一切使わない、木の特性を最大限に生かした工法で建てられています。

木組みは日本の伝統的な工法であり、現在も残っている貴重な文化でもあります。

木組みのプロフェッショナルである宮大工は、数百年先まで残るであろう歴史的な建築物の維持に欠かすことのできない大きな役割を担っているのです。

伝統的な技術を継承する

宮大工の象徴ともいえる木組みは何百年もの時を越えて現代に伝わった伝統工法です。

既存の文化財の解体修理や修復に欠かせない木組みの技術は代々宮大工の手から手へと引き継がれてきた貴重な文化資源であるともいえます。

宮大工は技術や知識、作業する上で必要な勘を自身の師匠から習得してきました。そして、それを現在の弟子たちに継承していくわけです。

仕事の性質上、急激な需要の増減はありませんが、その伝統的な技術はこれまで通り、途絶えることなく連綿と受け継がれていくことでしょう。

木材の特性を誰よりも熟知

木組みは木材の特性を生かし、釘などを使うことなく、その木材を組んでいくことで建物を建てる技術です。

現在主流になっている在来工法に比べて時間やコストもかかりますが、日本の風土に適した耐久性には定評があり、神社や仏閣以外の一般建築物においての需要も少なからずあります。

木組みに使われる木材の加工は全て宮大工自身の手作業です。木のどの箇所で作られているかによって木材の耐久性には大きな違いがあります。

この特性をしっかりと理解した上で、どの木材をどの箇所に用いるかを判断していくのが宮大工の腕の見せ所です。

日本人は古くより木造の家で生活し、使用される木材は国内の林業従事者によってまかなわれてきました。

しかし在来工法が広まり海外から輸入した安価な木材が広くつかわれるようになった現在の木材自給率は30%足らず。国産の木材は供給に対して需要が少なく、行き場を失うケースも少なくありません。

木組みには上質な国産の木材が必要不可欠で、宮大工の仕事は日本の林業なくして成り立ちません。

したがって宮大工は国産の木材の流通に一役買っているといっても過言ではないでしょう。