未経験からのスタートは難しい
メンタルトレーナーは、最近注目度が高まりつつある職業のひとつですが、残念ながらまだ職業としての歴史は比較的新しく、就職先や求人募集がたくさんあるとはいえません。
メンタルトレーニングには専門的な知識や技術が求められるため、これからメンタルトレーナーへの転職を目指す人は、この仕事に関するスキルはゼロの状態からという人も少なくないでしょう。
世の中には、未経験者でも比較的簡単に転職が実現できる職業もたくさんあるものの、メンタルトレーナーの場合、どうしても経験が重視される傾向にあり、何の知識・技術もない人がいきなり現場に入るというのはかなり厳しいものがあります。
なかにはフリーランスで活動している人や、メンタルトレーニング学校を起業した人などが、「見習い」という形で未経験者を採用するケースあるようですが、ものすごく狭き門であることは事実です。
実際、スクールなどでメンタルトレーニングを学んだとしても、思うように就職先が見つからない人もいるといわれています。
そうした事実を理解したうえで、本当にメンタルトレーナーを目指すのか考えたほうがよいでしょう。
幅広い見聞や人生経験は生かせる
世の中のさまざまな職業のなかには、できるだけ若いうちのほうが転職しやすいというものもあります。
しかし、メンタルトレーナーの場合、年齢はさほど関係なく、むしろ社会人として経験を積んできた人のほうが有利に働く面もあるといえます。
というのも、メンタルトレーナーのクライアントは年齢も価値観もさまざまであり、またその人が活躍している領域も異なるからです。
スポーツ専門のメンタルトレーナーになるといった場合は、とくにスポーツの世界に関する知識を深める必要があります。
また、ビジネス分野で経営者や会社員のメンタルトレーニングをする場合には、それなりの一般常識を持ち、社会人としての立ち居振る舞いができることは必須です。
人間の心という繊細なものに触れていく仕事であるため、広い視野を持ち、多様な角度から人と接することができる人のほうが適しています。
こうしたものは、スクールで学ぶというよりも、自分自身が人生経験のなかで培っていく部分が大きいため、社会人を経由してこの仕事に就くことは、決して無駄にはならないでしょう。