麻薬取締官の役割

麻薬取締官の使命は「薬物汚染のない健全な社会の実現」です。それを果たすために、おもに3種類の活動を行っています。

違法薬物に係る捜査

刑事訴訟法に基づく特別司法警察員としての職務を行います。薬物を乱用すると本人の身体がむしばまれるだけでなく、人格破壊によって殺人などの二次犯罪が起こる危険性もあるため、取り締まりは世界共通の課題です。

麻薬取締官は全国でも260人程度と、少数精鋭の部隊です。しかし、麻薬の密輸入ルートはさまざまであるため、関係機関との連携・協力が欠かせません。

たとえば、空路や海路による出入りを監視する税関や海上保安庁と協力することで、密輸入される薬物の押収を行います。もちろん、全国各地の都道府県警察との協力も日常的に行われています。

また薬物所持者を発見した際、すぐに逮捕せず「泳がせ捜査」を実施し、犯罪組織の首謀者を逮捕することで一気に関係者を暴くといったことや、麻薬取締官があえて被疑者に近づき内情を掴みとる「おとり捜査」をすることも認められています。

薬物犯罪は表からは見えない場所で行われることが多いため、日ごろの情報収集が非常に大切なものとなります。小さなことでも、一般からの通報がきっかけで取り締まりに結びつくこともあります。

医療麻薬の監督、指導

国に認められている医療麻薬も、乱用すれば身体に有害なものとなります。そのため、病院や製薬会社など、麻薬や向精神薬、覚せい剤の取扱関係者に対して定期的に立ち入り検査を行い、不正ルートへの流出や不正使用、不正製造の防止に努めます。

医療用の麻薬に関しては、すべて流通ルートが決まっています。

相談業務、啓発活動

専用の相談電話を設置することで、家族や友人など、身近で薬物乱用を行っている人がいれば、すぐに相談の連絡ができる仕組みを用意しています。

麻薬や覚せい剤は、一度乱用すると自分の意思でやめることが大変難しいため、専門家による助言と治療が必須です。そのため、保健所や医療機関、精神保健福祉センターとも連携し、薬物乱用者が社会復帰できるように努めています。

学校や関係機関での講演活動では薬物乱用の危険性を訴えるとともに、乱用防止に努める活動も積極的に行います。