麻薬取締官の現状と将来性

麻薬流通の変化

不正麻薬は、海外からの密輸入や暴力団などのルートで密売されるケースが多く見受けられます。そしてその取引といえば、かつては繁華街など一部の危険な場所で行われるのが一般的でしたが、いまでは一見安全そうに見える住宅地などでも麻薬が広がりつつあります。

その大きな理由と言われているのが、携帯電話やインターネットの普及です。これらは私たちの生活を便利にしてくれた反面、麻薬が取引される「危険な世界」に近づくことが容易になりました。

その結果、未成年者や麻薬とはほど遠い場所にいそうな主婦でさえも、ちょっとした好奇心から簡単に麻薬に手を出してしまうようになり、その後立ち直れずに苦しい思いをしている人が増えています。

薬物の乱用は、どんな人でも確実に自分の身体をむしばみます。また、中毒性が高いため「一度だけ」と思っていても、実際には簡単にやめることが非常に難しいものです。

このような時代の変化もあり、麻薬取締官は一人でも多く違法薬物に手を出す人を減らすため、日々厳しく目を光らせています。

「指定薬物」も捜査対象に?

麻薬取締官は、「麻薬五法」で指定されている麻薬や覚せい剤などを取り締まりの対象としています。

しかし近年、インターネットを利用して「合法ドラッグ」や「脱法ドラッグ」と言われる違法な薬物が広く流通するようになり、大きな問題となっています。これらはその名前から一見許されたもののように思われがちですが、麻薬と同様、人体に関する危険を及ぼすものが多くあります。

これらの薬物は人体への摂取目的での販売は薬事法違反となっていますが、現状では麻薬取締官に取り締まりの権限がありません。

このような現状を受け、2013年2月現在、薬事法と麻薬及び向精神薬取締法の改正が国で議論されています。改正案では、違法ドラッグのうち有害性が高いものを「指定薬物」として輸入・製造・販売が禁止されるとともに、麻薬取締官も摘発する権限を持ちます。

もしこの改正案が通れば、麻薬取締官はより幅広く違法薬物に関しての捜査ができるようになると同時に、世間からの麻薬取締官に対する注目度や期待はますます高まり、責務も重くなると言えるでしょう。