脚本家の役割

周囲と協力してつくりあげる

脚本家は、話の土台を作り上げる役割を担っています。

ストーリーの骨組みや台詞、舞台背景、人物造形など物語の基本となる部分は脚本家の構成にかかっていますので、絶対になくてはならない重要なポジションとなっています。

またほとんど一人で完結する小説家などと違い、脚本の場合は状況によってストーリーの変化やセリフの改変など、書き直しをする必要が何度もあります。

脚本家は、現場の俳優・監督の意見や要望を聞いたり、またテレビシリーズなどの場合は視聴者の反応によって話を変えてみたりと、かなり柔軟な対応をすることが期待されているからです。

脚本をもう一度書き直したり、視聴率不振を改めるために既に提出していた脚本を最初から仕立て直したりしなければならないこともあります。一度提出してすべてが終わるわけではありません。

はじめに提出するものは、発展させるべきものであって、完成品ではありません。それを受け入れる度量と手早く書き直すことのできる能力が望まれています。

脚本家は文章や想像力だけでなく、現場において周囲と協力しながら作品をつくりあげることが必要です。

場合によってはプロデューサーや監督に拒否されて、一からすべて書き直すという状況に陥ることもあります。

そうした場合においても、頑なに自分の主張を通すのではなく、意見を聞きながらも要望に合わせて書きなおすことが必要です。

面白く、そして相手を惹きつけるものでありながら、納期を守り質の高い作品をたくさん作っていくこと。これが脚本家の一番の役割といえるでしょう。

原作から脚本をつくる

脚本家が仕立て上げるのはオリジナル作品ばかりではありません。世の中には人気を博した小説や漫画があります。

制作者側がリスクを回避するために、ヒット作品を映像化するという手法があります。

原作があると基本的な話は出来上がってるから楽かと思うと、そうでもありません。

作品のエッセンスとなるものを見極め、時間の制限をにらみながら、作品の味を殺さずどう取捨選択すればよいか、そうしたことも考えねばなりません。

どこまで原作に忠実であるべきか、どう脚色してオリジナルな部分を付け加えるかなどの見極めも必要になります。改変しすぎて原作者とトラブルになったり、原作のファンから批判されるといったケースもあります。

原作を大胆に変えて「自分の作品」にしたものにするのか。原作に忠実な「映像化」にするのか…。

これは脚本家にとって悩ましい部分でもありますが、こうしたことを考えるのも脚本家の役割です。