公認会計士の合格者削減方針

公認会計士を悩ませる就職難

公認会計士の試験は、合格率が10%以下という難しい試験であることで知られています。しかし今、公認会計士をめざす人たちの間に「これからは合格者がもっと減るのではないか」という懸念が広がっています。

実は近年、せっかく苦労して公認会計士の試験に合格したのに就職ができない人たちが大勢いることが問題になっているのです。

この大きな原因は、今の世の中における公認会計士の需要を供給が上回ってしまっていることです。リーマンショックに代表されるような不況のなかで、日本の企業はどこも新卒の採用を減らす傾向にあります。

そのなかで公認会計士は試験制度が変わったことで合格者が増えており、採用数が少ないのに合格者が多すぎて就職浪人がたくさん生み出される、ということが起きるようになってしまいました。

今後は合格者を減らす方針に

こうした事態を改善しようと、平成24年の1月に、金融庁は「平成24年以降の合格者数のあり方について」というタイトルの文書を発表しました。

この書面には「合格者等の活動領域の拡大が依然として進んでいないこと、監査法人による採用が低迷していることに鑑み、平成24年以降の合格者数については、なお抑制的に運用されることが望ましいものと考える」という見解が示されています。

これはつまり、「公認会計士の試験に合格したにもかかわらず就職ができない人が大勢いて、需要を供給が上回っているため、今後は試験の合格者そのものを減らそうと考えている」ということなのです。

この方針が発表されたことで、これから公認会計士の試験を受ける人たちのなかには、さらに合格へのハードルが高くなったのではないかという懸念が広まっています。

その一方で、合格者が減るということは、厳しい試験に合格さえできれば就職を見つけやすい状況になるという見方もできるので、受験生にとってはデメリットばかりではありません。