騎手の競馬学校の入学条件や倍率を解説 入試試験の内容は?

騎手の学校とは

騎手になるためには、中央競馬か、地方競馬の騎手免許の資格試験を受け、合格する必要があります。

その騎手免許の試験を受けられるのは、外国で騎手見習いをしたり、日本の厩舎で馬の扱いや騎乗技術を学んだ者か、競馬学校の騎手過程で学んだ生徒です。

現在は、受験生のほとんどが競馬学校の出身者となっています。

競馬学校は、日本中央競馬会(JRA)の「JRA競馬学校」(千葉県白井市)と、地方競馬全国協議会(NAR)の「地方競馬教養センター」(栃木県那須塩原市)の2校があります。

騎手過程の就学年数は、JRA競馬学校が3年、地方競馬教養センターが2年です。

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騎手の学校に入るには

中央と地方どちらの競馬学校も入試は狭き門

入学希望者は、学力と運動能力、集団面接などの試験を受けます。

どちらの学校も競争率が高く、狭き門となっています。

JRA競馬学校の場合、毎年約150名が受験し、合格者は10名前後です。

また、地方競馬教養センターは、毎年約150名が受験し、合格者は10〜15名です。

JRA競馬学校に比べると、地方競馬教養センターの方がやや入りやすくなっています。

また、JRA競馬学校を不合格となった受験生が、日程的にも後で実施される地方競馬教養センターの入学試験を受けるケースが多いようです。

競馬学校への入学条件

JRA競馬学校の入学条件として、入学時に中学卒業以上の学歴をもち、年齢が「15歳以上20歳未満」となっています。

誕生日による体重制限もあり、令和3年4月入学の場合、次のようになっています。

  • 平成15年3月31日以前に出生した者:48.0㎏以下
  • 平成15年4月1日〜平成16年3月31日までに出生した者:47.0㎏以下
  • 平成16年4月1日〜平成17年3月31日までに出生した者:46.0㎏以下
  • 平成17年4月1日以降に出生した者:45.0㎏以下

視力は裸眼で左右とも「0.8以上」。色別力、聴力、健康状態が騎手の業務を行うのに支障のない者が条件です。

地方競馬教養センターの場合、入学時に中学卒業以上の学歴をもち、年齢は「20歳以下」となっています。

視力は裸眼で左右とも「0.6以上」。色別力、聴力、健康状態が騎手の業務を行うのに支障のない者というのは、JRA競馬学校と同じです。

地方競馬教養センターの体重制限は生年月日に応じて44.0kgから47.0kgまで6段階で定められています。

参考:JRA 競馬学校

JRA競馬学校の第1次入学試験

JRA競馬学校の入学試験は、第1次と第2次の2回あります。

第1次試験は、8月下旬頃、JRA競馬学校(千葉県白井市)、栗東トレーニングセンター(滋賀県)、札幌競馬場、小倉競馬場の4会場で行われます。

第1次試験の内容は、身体検査(体重、身長)、運動機能検査、学科試験(国語、社会)、集団面接です。体重測定で、応募資格の制限体重を超えていれば、その時点で不合格となります。

運動機能検査は、筋力やバランス感覚、柔軟性、敏捷性などを図るものです。

集団面接は7〜8人で行われ、自己PRや志望動機、乗馬経験の有無、競馬レースの内容などが問われます。

乗馬経験がなくても、興味や関心が高ければ、不利になることはないようです。

学科試験に関しては、国語と社会が行われ、地理、歴史や、四字熟語などが主題される傾向にあります。

また「スポーツ特別入試制度」の利用者は、第1次試験が免除になります。

「スポーツ特別入試制度」とは、中学、高校でスポーツ活動において特に優れた実績をもつ受験生に適用されます。

基準は、公的機関の主催する全国大会以上に出場した選手です。

馬術競技についても、国民体育大会などへの大会出場資格を得た者が対象です。

第1次試験の合格発表は9月中旬から下旬です。

JRA競馬学校の第2次入学試験

第2次入学試験は、第1次入学試験の合格者のみが受験できます。

試験は、JRA競馬学校を会場に10月上旬、3泊4日の合宿形式で行われます。

試験内容は身体検査(体重や身長など)、運動機能検査、騎乗適正検査・厩舎作業審査、本人と保護者の個別面接です。

体重測定で、応募資格の制限体重を超えていれば、その時点で不合格となります。

騎乗適正検査では、実際に馬に乗ります。

しかし、JRA競馬学校は、騎手としての適性を検査するもので、乗馬未経験者にはそのレベルに応じた検査を行うと説明しています。

また、乗馬未経験で入学しても、多くの卒業生が第一線で活躍していると、募集要項にわざわざ但し書きまでしています。

保護者面接では、保護者の競馬に対する理解度、騎手への理解度、子供の性格、家庭での食生活やしつけの方針などが問われるようです。

合格発表は、10月下旬です。

地方競馬教養センターの入学試験

地方競馬教養センターの入学試験は、1度だけです。

1月上旬、地方競馬教養センターを会場に1泊2日の合宿形式で行われます。

試験科目は身体検査、運動機能検査、学科試験(国語、社会、数学)、面接です。

体重測定で、制限体重を超えると、その時点で不合格となります。

運動機能検査は、閉眼片足立ち、サイドステップ、シャトルラン、ジャンプステップテスト、垂直跳び、上体起こし、懸垂、1500m走、握力、背筋力、上体そらし、立位体前屈があります。

面接は、志望動機や競馬への興味、関心、乗馬経験の有無など、騎手候補生としての適性審査となっています。

なお、乗馬経験は問わないと公式に発表されています。

合格発表は、2月中旬です。

騎手になるために学ぶことは?

JRA競馬学校で学ぶこと

JRA競馬学校は入学から翌年の9月15日までの17.5ヵ月が「基礎過程」となっています。

授業は実技と学科に分かれ、実技は、1年目が乗馬の基礎から学び、2年目に競馬姿勢(モンキー乗り)など実践的な勉強に移ります。

学科は、競馬関係の法律や競馬の仕組み、馬学、競争理論などです。

中学卒業と同時に入学する生徒が多いため、高校卒業程度の学力を身につけることを目的に、英語、国語、数学などの一般科目も勉強します。

2年生の9月16日から、「実践過程」となります。

実践過程の前期には、1年間、栗東と美浦のトレーニングセンターで、厩舎スタッフとして住み込み体験をします。

3年生の9月からは、実践過程の後期として、競馬学校で実技と学科の総まとめが行われ、11月に卒業試験があります。

10月、11月には実際の競馬場で模擬レースも行います。

卒業試験に合格すると、3年生の2月に実施される騎手免許試験を受けることができます。

地方競馬教養センターで学ぶこと

授業は、実技と学科に分かれています。

実技は乗馬や馬術、調教、厩舎での作業、剣道などで、学科は競馬関連の法律や馬学、衛生、栄養学、一般教養(国語、数学、社会、英会話など)です。

基本的に、午前中に実技を行い、午後は学科となっています。

基礎を身につけると、毎日、担当馬の健康チェックと馬房の清掃なども行います。

入学から6ヵ月間が「第1学期」で、基本馬術訓練を学びます。

1年生の後半6ヵ月が「第2学期」で、競馬の基礎としてモンキー乗りやゲートからの発走など「基本競走訓練」を学びます。

2年生の4月から5ヵ月間が「第3学期」で、実践に即した「総合競走訓練」を学びます。集団での騎乗や模擬レースなどを行います。

2年生の9月から卒業までが「第4学期」で、9月から1月まで各地の競馬場にスタッフとして入り、実習を行います。

最後の2ヵ月は総合訓練で、この間に騎手免許の試験があります。

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騎手の学校の入学から卒業までの流れ

騎手学校の就学期間は、JRA競馬学校の騎手過程は3年間地方競馬教養センターの騎手過程は2年間で、ともに全寮制です。

騎手としての基礎体力訓練から騎乗技術騎、厩舎での仕事を勉強します。

最終学年では、栗東や美浦の厩舎に泊り込んで、実地訓練も行われます。

騎手の学校の雰囲気・生活

JRA競馬学校の1学年の生徒数は10人前後で、1人の担任と2人の教官がつきます。

寮は、1年生は3人部屋で、2年生以上は個室となっています。

寮での起床は、朝の早い競馬界に少しでも慣れるため、5時40分(夏期間は4時40分)となっています。

授業は月曜から土曜日までで、日曜日が休みです。

寮からの外出は、日曜日のみ認められています。

地方競馬教養センターの1学年の生徒数は15人前後です。

全員が寄宿舎で生活を行い、1年生は2、3人の相部屋、2年生は個室となっています。

寮での起床は、少しでも慣れるようにと5時30分(夏期間は4時)となっています。

点呼後、体重測定を行い、指定体重を超えると外出禁止などのペナルティーがあります。