棋士の1日のスケジュール どんな生活をしている?

棋士の業務スケジュール

対局は年間30局〜40局ほど

将棋棋士の本業は、もちろん対局です。

6月〜3月にかけて柱になる順位戦に臨んだり、またはタイトル戦の予選、さまざまな棋戦(大会)などに出場し、対局料や賞金を稼ぎます。

しかし、対局数は今までの最高でも年に100局はありません。

2019年度では66局が最高となっており、平均は30〜40局ほどといわれています。

参考:日本将棋連盟

対局によってはタイトル戦などで日をまたぐものもありますが、1日で終わる対局が多いため、単純に言うとそれ以外の300日ほどは対局がないことになるのです。

対局がない日

対局がない300日の間は、第一は対局に向けた準備のための「研究」を行っています。

棋士同士が集まり「研究会」を作り、ともに切磋琢磨しつつ、対局のために練習するのです。

そのほかにも有名棋士になれば、タイトル戦の解説や、講演、雑誌への投稿などさまざまな仕事があります。

またそのような仕事がなくても、町の将棋教室などでアマチュアの人の指導をしたり、各種将棋イベントで公開対局をするなどいろいろな活動をするため、日々忙しく過ごすことになるでしょう。

普及活動

プロ棋士が所属している「日本将棋連盟」という組織は、棋士によって運営されています。

そのため連盟の仕事として将棋の普及活動や、役員となって会務にたずさわることも仕事のひとつです。

このように将棋棋士は、対局のみならず、さまざまな場面で将棋と接することになります。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

対局がある日の棋士の1日

ここからは、対局がある日の棋士の1日について見ていきましょう。

8:00 起床・朝食
前夜は対戦相手の戦法を分析して、寝るのが深夜になってしまうことも多いので、朝はゆっくり起きます。
9:00 自宅を出発
対局の30分前には東京・千駄ヶ谷の将棋会館に入るため、早めに自宅を出発します。
9:30 入室
対戦相手が目上の棋士の場合は先に入室して待ち、改めて戦法を確認するとともに呼吸を整え、気持ちを落ち着かせます。
10:00 対局開始
全神経を研ぎ澄ませ、対局を行います。
12:10 昼休憩
12:10〜13:00の昼休憩では、しっかり食べて午後からの対局に臨みます。
13:00 午後の対局再開
午後からの対局でも集中力を切らさないよう、神経を研ぎ澄ませます。
18:10 夕食休憩
脳をフル回転させていたため、カロリー摂取が必要なので、夕食休憩でもたっぷりカロリー摂取をすることが大切です。
19:00 対局再開
夕食後の対局がスタートしたら、最後の最後まで気を抜かないよう改めて集中力を高めます。
20:30 対局終了
早ければ17:00に対局が終了することもありますが、深夜に及ぶことも珍しくありません。
21:00 食事
仲のいい棋士や友人たちと軽めの食事を取りに行き、今日の勝利の余韻を味わいます。
22:30 帰宅・就寝
帰宅したら、今日の対局を振り返り反省点や良かったところを再確認し、対局はとても体力を使うため早めに就寝します。

対局がない日の棋士の1日

ここからは、対局がない日の棋士の1日について見ていきましょう。

8:30 起床
起床時間は決まっていないので、その日の予定に合わせて起きます。
9:00 朝食
午前中に予定がなければ、前夜遅くまで起きていて昼ごろまで寝ていることもありますが、ひとまず朝食を食べて身支度を行います。
9:30 将棋会館へ向かう
対局がない日の予定はほとんど自由なので、将棋会館で戦法や棋譜の研究を行うことにしました。
10:00 仲間との研究会
棋士は気の合う数人で研究会を作っている人が多く、たいていの棋士は複数の研究会に参加していて、棋士の自宅か将棋会館で研究会を開いています。
12:00 昼食
研究会のメンバーと昼食をとり、情報交換を行います。
14:00 杉並区の知人宅での将棋教室指導
アルバイトで知人宅で将棋教室の指導を行っており、近所の人から喜ばれているようです。
16:30 映画
指導が終われば自由時間となるため、気に入った場所を訪ねたり、話題の映画を見にいってリフレッシュします。
18:00 夕食
夜も指導の予定があるため、時間まで外で夕食をとります。
19:00 企業の将棋クラブで指導
ある企業での将棋クラブでの指導を行いますが、指導がなければ自由時間なので人に会ったり、自宅に帰って休むこともできます。
21:30 帰宅・棋譜の研究
帰宅後気になることがあったので、家で棋譜の研究を行います。
23:30 就寝
ひと段落ついたところで研究を終了し、就寝します。