棋士に必要なこと

将棋は、日本で平安時代には行われていた

将棋のルーツは、西洋のチェスと同じく、古代インドのチャトランガと考えられています。

このチャトランガが、どのようにして将棋に変化したのか、また、将棋がいつ、どのように日本に伝わったのかは不明ですが、平安時代には、日本で将棋が行われていたことはわかっています。

江戸時代になると、庶民の間でも広く行われるようになり、明治時代には新聞に将棋欄が設けられて大人気となりました。

日本独自の将棋文化の担い手という自覚

1924年(大正13)、「東京将棋連盟」が結成され、これが、現在の「日本将棋連盟」の前身です。「日本将棋連盟」は、2014年に創立90周年を迎え、記念行事が行われました。

将棋は、日本独特のゲームです。また、長い歴史も持っており、棋士は、「将棋」という日本文化の担い手であるという自覚が必要です。

過去の棋譜を勉強して戦法や棋風などを受け継ぐと同時に、将棋の普及に貢献することが求められています。

一瞬のひらめきが勝負を左右する

将棋の対局では、先読みをしながら、いかに最善の手を打つかという戦いになります。その際、局面、局面で最善の手が打てるかどうかは、ひとえに頭の冴えにかかっています。

永世名人の羽生善治棋士も、「直感には邪念の入りようがない。いくら考えても分からないときは、最初に戻って直感にゆだねることがよくあります」と話しています。

その直感を支えるのが、脳に保存されている過去の棋譜や詰め将棋などの記憶です。自分の脳が、目の前の対局と記憶した棋譜などの画像を照合させながら、瞬時に高速処理をして最善の手を探っていきます。

自分の精神的な弱さと向き合うこと

ところが、そうして最善の手を探るとき、大きく影響するのがメンタルです。対局中、焦ってしまったり、雑念が浮かんだりすると、なかなか最善の手は打てません。

また、タイミングを逸したり、相手の意表をつく手に慌てたり、最後に思いきれなかったりということもあります。そんな時には、自分の精神的な弱さと向き合うことになります。

実際、対局中には、最善の手ばかりか、これがよさそうだという手が一つも見えない場面にもよく直面します。

自分の精神的な弱さと向き合うこと

そんな時、羽生善治棋士は、「勝負どころでこそ、深い集中力を発揮することが大事」と語っています。深く集中して邪念を払い、直感にゆだねることで最善の手を探るのです。

その際、羽生棋士は、深く集中していくときの感覚を「スキンダイビングで深く潜っていく感覚と似ている」とも話っています。

大事なことは、深く集中したいとき、自分はどんな感覚を持てばいいのか。それを普段の生活のなかで探しておくことです。