ファイトマネーだけでは生活できない
キックボクサーの収入は、試合に出場した時にもらうファイトマネーです。サラリーマンのような給料はありません。試合に出場しなければ、収入はゼロです。
試合に勝てば他にはない満足感を得られますが、実力と人気がすべての世界であり、怪我や体力の衰えなどで試合に出られなくなってしまえば、収入はなくなってしまいます。
ファイトマネーの額は、団体によって異なりますが、日本チャンピオンでも一試合数万円から十数万円といわれています。
試合数は、多くても年間10試合前後ですので、ファイトマネーによる収入は、日本チャンピオンクラスでも年間30万円を超えればいい方です。人気、実力を兼ね備えた選手でも、年間100万円を超えるかどうかといわれます。
しかも、ファイトマネーが、そのまま自分の取り分とはなりません。所属ジムに2〜3割ほど差し引かれ、税金も支払わなければなりません。ファイトマネーをもらっても、手取りはその半分程度といわれています。
キックボクシングだけで生活できませんので、ほとんどの選手が、他の仕事をしているか、アルバイトをしています。
ファイトマネーがチケットで払われることも
団体や試合によっては、ファイトマネーがチケットとして払われることもあります。たとえば、ファイトマネーとして、1万円のチケットを20枚もらったとします。
その場合、チケットを売って得た金額が自分の取り分となります。試合が近くなると、友人や知人、親せきなどにチケットを売らなければなりません。
計算上は、1万円のチケットを10枚売れれば、10万円が収入となります。しかし、現実にはほとんどのチケットを割引価格で販売しています。
中には、チケットをプレゼントすることもありますので、自分の取り分はほんのわずかということも珍しくのが実態です。
団体や試合によっては、チケットの販売ノルマもあります。たとえば、1万円のチケットを1枚5000円の割引価格で10枚購入し、売った分が自分の収入になるケースなどです。
その場合、チケット購入費用の5万円は自己負担ですので、チケットが5万円分以上売れれば、自分の収入になりますが、それ以下なら出費になります。
たいていの試合は、東京都で行われます。そのため、都内はもちろん首都圏在住の選手は、試合会場近くに友人や知人、親せきが多く、チケットも販売しやすいですが、地方の選手はチケットの販売に苦労するようです。
スポンサーが支援してくれる選手もいる
将来を期待されたり、何らかの魅力をもつ選手にはスポンサーがつくこともあります。たとえば、ファイトマネーをチケットで払われても、スポンサーがすべてのチケットを買ってくれたりします。
また、スポンサーの会社などで雇ってもらい、試合やトレーニングを優先した生活を送っている人もいます。