キックボクサーのつらいこと、大変なこと、苦労

ヒジ打ちや膝蹴りもあって体への負担が大きい

キックボクサーにとって、もっとも大変なことは体への負担が大きいことでしょう。パンチとキックに加え、ヒジ打ちや膝蹴りも許されているため、顔面の切り傷や打撲は絶えません。

試合中や練習中に骨折することもあります。攻撃を受けた選手ばかりか、攻撃をした選手がケガをすることも珍しくありません。

パンチドランカーになる人もいます。パンチドランカーとは脳への衝撃を繰り返し受けた結果、頭痛や体のしびれ、バランス感覚の喪失といった障害、あるいは認知症のような症状が現れることです。

キックボクシング出身で、K‐1でも活躍した魔裟斗も「殴られすぎてパンチドランカーになった人を何人も見てきた」と語っています。

魔裟人は、自分がパンチドランカーになることを防ぐため、現役時代はふだんから体調管理をしっかり行い、定期的に脳検査も受けていました。

30歳で現役引退した時も「パンチドランカーになった姿を子供に見せたくない」という発言をしていました。

キックボクサーとして試合に出場するには、この魔裟斗のように、日頃から体調管理をしっかりしておくことが大切です。

30歳を過ぎたのちの人生設計

魔裟人は、現役時代の27歳で女優の矢沢心と結婚し、家庭をもちました。

K-1の絶頂時代に世界チャンピオンになり、ファイトマネーに加えてテレビ番組やイベントに多数出演していた魔裟人らしく、その結婚は芸能ニュースとしても大きく取り上げられましたが、一般のキックボクサーの場合、現役時代に家庭をもつことはなかなか難しいです。

キックボクシングのファイトマネーだけでは生活できませんし、現役時代は、仕事とキックボクシングの両立で時間的にも余裕がありません。

そういう事情もあって、30歳をすぎると、キックボクシングを続けるどうかで悩む選手が増えてきます。

とくにアルバイトをしながらキックボクシングを続けてきた人は、現役引退すれば、仕事をどうするかは切実な問題となります。

現役時代、運よくスポンサーがついた人なら、引退後も面倒を見てもらえるケースがあるようですが、そんな選手は一握りです。

また、K-1人気が衰えた現在では、マスコミの注目を集め、魔裟人のような人気選手になる道も閉ざされています。

将来的に、キックボクシングが世間の注目を集めるかどうかわかりませんが、現実問題としては、40歳をすぎると新たに就ける仕事も限られてきます。

そのため、家庭をもつことも考えて30代で現役を引退し、サラリーマンなどの定職につく人もいます。

引退後どうするかも含め、キックボクシングに打ち込めば打ち込むほど、一般的な人生設計からは離れてしまいます。若いうちは好きなキックボクシングに打ちこめても、30歳をすぎると悩むことも増えるのが現実です。