検察事務官の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説

検察事務官の業務スケジュール

検察事務官は検察庁に務める国家公務員として、刑事司法の一翼を担い、社会秩序の維持に貢献することを使命としています。

勤務時間は国家公務員法により1日7時間45分と決められており、週休二日制となっています。

職場となるのは大きく分けて「捜査・公判部門」「検務部門」「事務局部門」の3部門で、それぞれの分門で仕事内容も働き方も大きく変わります。

捜査・公判部門の仕事内容

検察官と二人三脚で事件捜査にあたる立会事務、起訴・不起訴を決めるための取り調べを行う捜査事務、公判立会に対し公判手続きの確保などを行う公判事務などの業務を行います。

検察事務官の中でも一番忙しいといわれる職場です。

検務部門の仕事内容

捜査機関から送られてくる事件の受理手続きを行う事件事務、証拠品の受け入れや保管などを行う証拠品事務、裁判終了後の刑罰執行手続きを行う執行事務など、主に事務仕事を役割とする部門です。

事務局部門の仕事内容

総務事務や会計事務といった役割があり、一般企業の総務部にあたる部門です。

福利厚生や人事・給与管理、庁舎の維持管理なども行い、比較的規則正しい働き方ができる部門といえるでしょう。

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検察事務官の1日

検察事務官は捜査・公判部門のように検察官の補佐がメインとなる場合と、事務局部門のように事務仕事がメインとなる場合があります。

それぞれのある一日を紹介していきます。

捜査・公判部門で働く検察事務官の1日

8:30 出勤
午前中に行う担当事件の調査資料の読み込みや検察官に渡す資料準備を行う。
10:00 取り調べ
本日1回目の取り調べを行う。
12:00 ランチ
弁当持参や外食など人それぞれですが、今日はタッグを組む検察官と近所の定食屋へ。
13:00 事務処理
午前中に取り調べを行った事件の調査書類を作成する。
15:00 取り調べ
本日2回目の取り調べ。
17:00 事務処理
過去に行った事件記録の整理整頓を行う。
20:00 明日の準備後、帰宅
翌日の取り調べ準備を行い帰宅。

事務局部門の検察事務官の1日

8:30 出勤
出勤後はメールの確認を行い、帰宅前に着手していた事務処理を終わらせる。
10:00 会議
検察庁内の運営に関わる会議に参加する。
12:00 ランチ
同僚と一緒にランチを楽しむ。
13:00 会計業務
捜査などで使われた経費の精算を行う。
16:00 備品整理
不備・不足のあった備品設備の確認を行い、必要なものを発注。
18:00 事務処理
本日分の業務が終わったため、未了の事務処理をを進め帰宅。

検察事務官の勤務時間・休日・仕事は激務?

検察事務官の勤務時間

検察事務官は国家公務員なので、国家公務員法によってさまざまな勤務規則が定められています。

その中で勤務時間は1日7時間45分と決まっており、基本的には月~金曜日が勤務日です。

事件を多く担当すれば勤務時間はどうしても長くなるため残業時間も多くなりますし、休日出勤も発生するでしょう。

特に捜査・公判部門は事件の捜査や取り調べに多く関わるため顕著で、検察事務官の中でも忙しい傾向にあります。

逆に事務局部門は会計や総務業務がメインとなるため比較的規則正しい勤務時間のようです。

検察事務官に限らず近年は女性の国家公務員も増えており、30%以上の女性が働いています。

そうした環境も考慮し、人事院でもワークライフバランスに力を入れており、結婚や出産などのライフイベントを経ても働きやすい環境整備に力を入れています。

検察事務官の休日

検察事務官の休日は土・日・祝日で、年次休暇は年間20日付与され、夏季休暇や病気休暇など一般的な休暇はひと通り整備されています。

特に近年は労働環境の整備に厳しい世の中になっているため、積極的に休暇を取得することが推奨されているようです。

また、出産休暇や育児休暇制度も当然あるため、結婚・出産後も安心して働ける環境があるのも女性の国家公務員が増えている要因かもしれません。

取得率も高く、職場復帰する女性も多いようで、そういった面でも安心して働けるでしょう。

検察事務官の残業時間

検察事務官の残業時間が多い少ないは配属部門や勤務する検察庁に大きく左右されるため一概にはいえませんが、一般的な傾向はあるようです。

検察事務官は全国にある検察庁に勤務し、「捜査・公判部門」「検務部門」「事務局部門」のいずれかに配属されます。

「捜査・公判部門」は、検察事務官の配属先の中でも一番多忙な部署とされています。

事件は検察庁の都合を考慮せず起きますし、事件を起訴するかしないかの判断期間も法律で定められていて、検察官は非常にタイトなスケジュールで起訴・不起訴を判断しなければなりません。

どんなに忙しくても事件を処理しなければいけない場合もあるでしょう。

このことから、検察官と行動をともにする「捜査・公判部門」の検察事務官は、残業や休日出勤などが多くなる傾向にあるようです。

同じ検察事務官でも残業が少ないのは事務局部門で働く人です。

仕事の内容が総務業務や会計業務といった事務仕事がメインのため残業が少ないようです。

ただし検察事務官は2~3年で先に挙げた3つの部門を異動するので、ずっと「捜査・公判部門」で忙しく働き続けるというケースは少ないようです。

検察事務官は忙しい? 激務?

配属部門によって忙しさは変わりますが、忙しいときは休日出勤もするでしょうし、終電で帰ることができない日々が続くこともあるでしょう。

しかし、検察事務官は、忙しいからといって妥協をするわけにはいきませんので、体力との戦いでもあります。

ただし配属される検察庁に影響される面もあり、大都市圏にある検察庁は事件も多く忙しいでしょうし、地方にある検察庁は比較的忙しさは軽減するかもしれません。

しかし事件の数に差はあるかもしれませんが、大都市の検察庁での仕事も、地方の検察庁での仕事も、その責任の重さに変わりはありません。

検察事務官の休日の過ごし方

検察事務官だからといって休日の過ごし方はほかの職種の人たちと変わりありません。

家族や友人と過ごしたり、映画やイベントに出かけたり、明日の活力のため人それぞれの方法でリフレッシュに努めているでしょう。

ただし副検事へのキャリアアップを考えている検察事務官の場合は休日にも勉強をするでしょう。

副検事選考試験は筆記試験・口述試験、各高等検察庁検事長が行う人物や素行、そして実務処理能力などの調査結果をまとめた「調査書」によって合否が判断されます。

しかし司法試験を経なくても検事への道が開かれているため副検事への道は狭き門であり、検察事務官から副検事を目指す人たちは休日返上で勉強しているかもしれません。