まずは「建築の基本」が何より大切
どんなことにもいえることですが、物事を学んだり習得したりするには「基本」が大切になります。
「基本」なくして応用はありませんし、「基本」を飛ばしてしまうといくら才能があってもいずれボロが出たりほころんだりするものです。
「デザイン」というと、才能だけでできると思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、とくに建築デザインについては基本を知らずにできるものではありません。
なぜなら、建築はデザインのみを優先してできるものではなく、建築物の機能や強度、さらには法的な規制を満たした上ではじめて実現するものだからです。
せっかく良いデザインができたとしても、機能や強度が伴わなかったり、規制をクリアーできなかったりすれば、それこそ絵に書いた餅となってしまいます。
そのため、建築デザインをするには、まず「建築の基本」を知らないとできないのです。
色彩感覚や質感の養い方
色彩感覚や質感は建築デザインの中でも重要なウェイトを占める要素ですが、どうやって磨くのでしょうか。
こちらもまずは基本が大切です。色彩の組み合わせの基本は建築の学校でも学びますが、本当に基礎的なことしかやりませんので、実務でこなすためには自分で学習する必要があります。質感についても同様です。
その上で重要なものは、さまざまなものを見ると言うことです。
街を歩けば建築物は山ほどあります。その中には、とってもすてきなデザインのものもあるでしょう。外構のまとまりのよいお家、外壁の組合せが上手なお家、窓の位置や屋根の形がカッコいいお家など、外から見るだけで学べる点はたくさんあります。
さらに、店舗や事務所に関しては内部を見ることができますので、そこからデザインを学ぶこともできます。
とくに最近では公共施設でもデザインのよいものがありますので、学ぶ機会はますます増えていると言えるでしょう。
デザイナーは虫の目よりも鳥の目
建築デザインをするに当たって、気をつけるべきことがあります。それは、視野を広く持つこと、つまり「鳥の目」を持つことです。
たとえば、とてもすてきな材料があったとします。色も質感も申し分なく、予算的にも取り入れられるものだとしましょう。
そうなるとついつい、その材料のことばかりを考えてしまい、「虫の目」となりがちですが、全体との調和が取れて、はじめてその材料が活きるものです。
この場合の「全体」とは、その材料を使う空間だったり場所だったりもしますが、設計コンセプトからも外れていないことが大切です。
これを無視して虫の目で設計すると、全体を見た時にちぐはぐ感というか違和感を覚えることがあるものです。
なので、設計やデザインをしたら、一息入れて全体を眺めるようにした方が、上手くまとまることが多いのです。