建築施工管理技士になるには

国家資格を取得する

建築施工管理技士になるには、建築施工管理技士の国家試験を受験して、合格することが第一歩となります。

しかし、この国家試験は受験資格として実務経験が求められるため、誰もが自由に受けられる種類の試験ではありません。

必要な実務経験の年数は、基本的には「1級」と「2級」の資格の種類と、最終学歴によって異なってきます。

また、2級の場合は職業能力開発促進法による技能検定合格者も、条件次第では受験することが可能です。

受験資格についての詳細は、試験を実施する「一般財団法人 建設業振興基金」のホームページをご参照ください。

2級建築施工管理技士の受験資格
1級建築施工管理技士の受験資格

独学で建築施工管理技士に合格できる?

まずは受験資格を得る

建築施工管理技士の試験は、1級・2級ともに受験資格が設けられており、実務経験がまったくない人は受験することができません。

また、実務経験の必要経験年数は学歴によって異なるため、まずは受験資格をよく確認しておく必要があります。

受験資格を満たしてさえいれば、建築施工管理技士試験を、どのような勉強方法によって受験することも可能です。

独学で合格している人もいる

建築施工管理技士の試験は、合格率50%以下になることがほとんどですが、独学で合格している人もいます。

市販の参考書や問題集を使えば、自主的に勉強をしていくことが可能です。

また、完全な独学はどうしても不安ということであれば、民間の資格スクールの通信講座を利用するのも一つの方法です。

必要な勉強期間は人によって変わってきますが、少なくとも3ヵ月程度かけている人や、さらに短期間で集中的に勉強して合格している人もいるようです。

なお、この試験は基本的に60%以上正解すれば合格できるといわれています。

完璧を目指さなくても、苦手分野を無くし、まんべんなく答えられるようにしておけば、合格の可能性がグッと高まるでしょう。

独学のポイント

建築施工管理技士試験で大変なことは、多くの場合、仕事をしながら試験対策を行うことになるという点です。

この資格は、すでに建設業に関わっている人が、スキルアップのために取得することがほとんどであるため、毎日忙しく働きながら、試験合格を目指して勉強していくことになるでしょう。

日々の仕事に追われるなかで、継続的に自分で勉強をするのは決して楽なことではなく、計画性と強い意志が問われてきます。

電車での通勤時間を利用するなど、スキマ時間を活用して勉強している人もいるようです。

1日の勉強時間は少しであっても、問題集などをコツコツと解いていき、苦手な部分を見つけ出して集中して学んでいけば、合格はそこまで難しくないでしょう。

建築施工管理技士試験の難易度、合格率

2級建築施工管理技士試験の過去の合格率

過去5年間の2級建築施工管理技士試験の合格率は、以下の通りです。

<一次試験>
2017年度:38.7%
2018年度:25.9%
2019年度:31.6%
2020年度:35.0%
2021年度:49.0%

<二次試験>
2017年度:28.9%
2018年度:25.2%
2019年度:27.1%
2020年度:28.2%
2021年度:35.1%

例年、一次試験(学科試験)が25%~50%程度、二次試験(実地試験)は25%~35%程度になることが多いようです。

1級建築施工管理技士試験の過去の合格率

<一次試験>
2017年度:39.7%
2018年度:36.6%
2019年度:42.7%
2020年度:51.1%
2021年度:36.0%

<二次試験>
2017年度:33.5%
2018年度:37.1%
2019年度:46.5%
2020年度:40.7%
2021年度:52.4%

例年、一次試験(学科試験)が40%~50%程度、実地試験は40%前後となることが多いようですが、2級と同じく大幅に変動する年もあります。

試験の難易度は?

1級試験は、学科試験・実地試験ともに施工管理における非常に広い専門分野から出題されます。

学科試験は「建築学等」「施工管理法」「法規」の3科目で、最近は過去の問題よりも、多少踏み込んだ内容の理解や周辺知識の体系的な理解が求められる傾向にあるようです。

2級試験では、「建築学等」「施工管理法」「法規」の3科目と、各試験区分に応じた出題があります。

最近では建設業法が改正されるとすぐそれに伴う問題が出されており、最新の情報を入手していくことが重要とされています。

なお、この試験の合格ラインは学科・実地ともに基本的には正答率60%とされており、受験者数などによって合格ラインが変動しない絶対評価試験であることが特徴です。

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建設系の企業で実務経験を積む

2級建築施工技士の試験では、最終学歴が大学である場合も、卒業後1年以上(指定学科卒業)の実務経験が必要になります。

したがって、まずは学校卒業後、建築系の企業へ就職して技術者として実務経験を積み、その後のキャリアアップのために建築施工管理技士の資格取得を目指すのが一般的です。

有資格者が多いと、会社の信用度や評価が増すこともあり、会社が資格取得の費用などを負担してくれることもあるようです。

また、建築施工管理技士の資格を取得すれば基本給とは別で資格手当が付き、大きく収入をアップさせることも可能になります。

求められる能力やスキルは?

建築工事に関する専門知識や技術はもちろんですが、建築施工管理技士は現場を指揮する役割を担うため、リーダーシップやマネジメントスキルが求められてきます。

チームメンバーを円滑にまとめていけるだけのコミュニケーション能力も必要です。

また、この仕事では安全管理や品質、スケジュールなど、工事を無事に完了させるために確認していかなくてはならないことも多いため、慎重かつ論理的に物事を考えていく能力も求められてくるでしょう。

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女性の建築施工管理技士の働き方

女性の有資格者も活躍中

建築施工管理技士に限らず、「施工管理技士」として働いている人は、女性よりも男性のほうが圧倒的に多いといわれています。

しかし、決して女性にできない仕事というわけではもちろんありませんし、女性がこの資格を取り、最前線で活躍している例も見られます。

女性がこの仕事に就くことを志すきっかけとしては、学生の頃から建築に興味があったり、手に職をつけたいという思いがあるようです。

現場の仕事というと、どうしても女性には難しいと考えられてしまいがちですが、建築施工管理技士の業務の中心は施工管理や現場のマネジメントとなるため、厳しい肉体労働というわけではありません。

国を挙げて女性の活躍を推進している

国土交通省では建設業界で働く女性の技術者や技能者を、平成26年から平成31年までの5年間で倍増させることを目指しています。

とくに、大手企業では女性の積極的な雇用に取り組んでおり、すでに新卒入社の技術者の約1割は女性であるというデータも出ています。

建設業界はハードで、残業も多いといわれますが、最近では労働環境の整備や福利厚生の充実に力を入れている企業が増えてきており、以前に比べてだいぶ女性にとっても働きやすくなっているようです。

ただし、小さな会社ではまだまだ長時間残業の残業代が支払われないといったところもあるようです。

就職先は、慎重に検討していくことをおすすめします。

キャリアアップも望める

建築施工管理技士の資格を取ると、基本給のほかに資格手当が出ることが多く、一般の技術者のときに比べて収入をアップさせることができます。

1級の資格を持っている女性建築施工管理技士はさほど多くないため、会社によっては高く評価されることもあるようです。

経験を積みながら出世して、最終的には現場所長になっている女性の建築施工管理技士もいます。

1級建築施工管理技士の資格があると、転職もしやすくなるといわれています。