家庭裁判所調査官の現状と将来性

家庭裁判所への申し立て事件の増加

家庭裁判所創立から60年以上を経て、近年の家事事件ではとくに「成年後見事件」の申し立てが増えています。

成年後見制度は、「認知症」「知的障害」「精神障害」などにより物事を判断する能力が十分ではない人を、家庭裁判所が選任した援助者が法律的に支援する制度です。

少子高齢化が進む中で、今後もますます増加されるといわれています。

また、家族の在り様の多様化から、離婚時の子どもの親権者や面会交流の事件も増加しています。

国民の権利意識の高まりなどから、これまでは家族の問題で済ませていたことを、明確にするために家庭裁判所を活用する人が増えています。

これらにより、家庭裁判所調査官の業務も増え、解決困難な事件も多くなっています。

変化する家族や少年事件への柔軟な対応が求められる

家庭裁判所調査官は、家庭裁判所で取り扱う、家事事件や少年事件といった家庭内の身近に起こるさまざまなトラブルに対して、家族に寄り添い、問題を解決する役割を担います。

家族の在り様は、時代と共に変わっていきます。

たとえば近年のインターネット社会が引き起こす友人とのトラブル、核家族化や児童虐待、離婚の増加といった時代変化は、これまでの家族の在り方や少年を取り巻く環境にも大きく影響を与えています。

そのため、家庭裁判所で扱う事件もより複雑で、動機を解明することが難しい事件も増えています。

そういった中、家庭裁判所調査官はそれらの時代の変化を読みとり、当事者や家族の心に寄り添うことが求められます。

行動心理学等の専門知識をベースに、少年の教育的側面と法律的解決策を検討する家庭裁判所調査官に期待される役割は、増々大きくなるでしょう。

また、被害者感情をより尊重すべきという社会からの要請の高まりや、司法手続きのスピーディー化も求められており、家庭裁判所においても業務改善や司法改革への対応が進められています。

外国人への対応も増加

日本のグローバル化に伴い、国際結婚など日本で生活する外国人も増加しています。

そういった中、家庭裁判所を訪れる外国人も多く、言葉だけでなく文化や経済的背景の違いを理解し、対応することも必要とされています。