家庭裁判所調査官に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介

家庭裁判所調査官に向いている性格・適性

責任感が強い人

家庭裁判所調査官の仕事は、責任感が強い人が向いています。

離婚や親権者の変更といった家庭で起こる紛争事件や、少年の非行による事件を徹底的に調査し報告書を作成しますが、調査報告書は裁判官審判の基準とする大きな影響力を持ちます。

また下される審判は、家族や少年の人生に大きな影響を与えるため、その後の人生への影響ははかり知れません。

そのため家庭裁判所調査官は重要な役割をになっているという責任感を持ち、丁寧に業務を行う必要があります。

根気よく取り組める人

事件を調査するときは、客観的事実から原因や背景などを調べ、関係する人々と面談をして心の問題に迫りながら調査を行うため、根気よく仕事に取り組む姿勢も大切です。

たとえば非行を犯した少年を担当する場合、育成歴、学校での様子、友達との関係を徹底的に調べ、また少年と面談をくり返し行います。

少年との面談では、事件について「どうしてそんなことをしたのか?」と聞いても、少年はうまく気持ちを表現できなかったり、心を閉ざしてまったく話さないということも珍しくないでしょう。

そのような場合でも、少年の心に寄り添うことが重要です。

人への気配りと温かさがある人

家族の争いや少年の非行などは、あつかうのが微妙でむずかしいので、ときには理解や共感ができない事件もあるでしょう。

しかし将来どうしたらその家庭がうまくいくのか、少年が更生できるのかという考えを根底にもち、人間的な気配りや温かさを持った対応が必要です。

転勤が苦にならない人

家庭裁判所調査官は、ほかの国家公務員と同様に、定期的またはキャリアに応じて転勤がさけられません。

そのため新たな勤務地に転勤することになっても、新しい経験ができるチャンスだと前向きにとらえ、その地域生活を楽しむことができる人が向いています。

家庭裁判所調査官になるには

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家庭裁判所調査官に必要なスキル・能力

傾聴(けいちょう)力

家庭裁判所調査官は、相手の言葉や言葉に耳を傾ける傾聴力が必要です。

ときには言葉では表せない心の声をキャッチしたり、表面上は元気にふるまっている子どもが不意に見せる仕草や表情などから、本心を読み取ることも求められます。

人と深く関わらなければ正しい調査を行うことができないため、高いコミュニケーション力も必要でしょう。

客観的な視点を持つバランス力

家庭裁判所調査官は、対応する人々への気配りや温かい気持ちが必要ですが、一方で客観的な視点を持ち続けるバランス力も欠かせません。

当事者や少年に寄りそって共感しても、感情に流されることなく、法律的な観点を持ち冷静に最適な解決策を検討できるスキルが必要です。

フットワークの軽さ

家庭裁判所調査官の日々の業務は、外出や出張が多くなります。

たとえば少年事件を担当する場合、少年の学校や少年鑑別所などの関係機関に出向き、情報収集や面談を行う必要があるためです。

そのため必要であればどこでも出向くフットワークの軽さがある人が向いているでしょう。

論理的思考力

調査結果をわかりやすく報告書にまとめ、明快に説明できる論理的思考力も必要です。

実際に家庭裁判所調査官補の採用試験においても、理解力や論理的思考力に優れた人物が求められています。

家庭裁判所調査官に向いていないのはどんな人?

家庭裁判所調査官に向いていないのは、感情移入しすぎてしまう人です。

たしかに面接する相手の気持ちに寄りそうことは必要ですが、客観的で冷静な視点を持っていないと、中立の立場で調査報告書を仕上げることはできません。

また事実や背景が非常に重い事件も多いことから、自分自身が悲しい気持ちになったり、ストレスを感じてしまう家庭裁判所調査官もいるようです。

そのため感情移入しすぎず、人を助けたい気持ちと冷静さを保つバランス力を意識しておくのがよいでしょう。

また転勤もさけられないため、地元をはなれたくない人や、数年ごとの引っ越しがつらく感じてしまう人には向いていません。

どのような勤務地でも家庭裁判所調査官として活躍したい!という心構えをもっておくことが大切です。