官僚と政治家の違い・どんな関係?

官僚と政治家の仕事内容の違いと関係性

日本のため、国民のために尽力するという意味では政治家と官僚は同じ役割を持っており、密接な関係にありますが立場や仕事内容はまったく違います。

まず立場の違いを端的に説明すると、官僚は各府省庁に採用された国家公務員なので、国民の代表ではありません。

対して政治家は、選挙によって国民が自ら選んだ代表です。

官僚も政治家も公人という立ち位置であり公共のための行動が求められますが、政治家は市区町村など議員の区別に関わらず国民を代表する立場のため、国会議員であれば国民一人ひとりの利益を考えた行動が求められるでしょう。

仕事内容の違いも明確で、政治家は世の中の流れや国民の声をくみ取り、国や地域を暮らしやすくする政策を考え、官僚は政治家が考えた政策を実現するための施策を練り、実行するのが役割です。

実務者である官僚は、国家運営に欠かせない存在といえます。

政治家の仕事

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官僚と政治家になる方法

官僚は各府省庁に採用される必要があり、政治家は国民に選んでもらう必要があります。

官僚になる方法ですが、ほかの国家公務員同様に採用試験に合格しなければいけません。

官僚として働きたい場合、国家公務員採用総合職試験の「院卒者試験」または「大卒程度試験」のいずれかの区分を受験し、一次試験、二次試験を突破する必要があります。

二次試験に合格すれば官僚になれるわけではありません。

その後、希望する府省へ官庁訪問を行い、採用面接を受けて合格となればやっと官僚として採用されます。

政治家になる方法はいたってシンプルで、選挙に当選すれば政治家として働くことができます。

ここでは官僚と関係性が深い国会議員を政治家として捉えていますが、本来、政治を生業にする人たちを政治家と呼ぶため各都道府県の知事や県会議員、市区町村議員も政治家です。

選挙で勝つために、選挙期間中は政策を訴え、国民の共感を得ることで投票数を伸ばしほかの候補者よりも投票数が多ければ合格となります。

官僚と政治家の資格・必要なスキルの違い

官僚、政治家ともに特別な資格は必要ありません。

強いて挙げるなら、官僚は国家公務員採用総合職試験に合格することでしょう。

「院卒者試験」の受験資格ですが年齢30歳未満に加え、大学院修士課程または専門職大学院の課程を修了した人、または見込みの人です。

「大卒程度試験」の受験資格は年齢30歳未満に加え、大学を卒業または卒業見込みの人です。

政治家の場合、ここでは国会議員を対象としますが学歴・経歴は不問で、立候補する際の資格は日本国民であることと年齢制限です。

衆議院議員の場合は満25歳以上、参議院議員の場合は満30歳以上が立候補の条件です。

スキルについても同様で、官僚や政治家になるために必須スキルはありません。

ただし、官僚は専門知識より一層求められるようになるため、目指す省庁に応じた知識を学生の時から常に学ぶとともに、蓄積しておいた方が後々役立つでしょう。

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官僚と政治家の学校の違い

官僚の場合は国家公務員採用総合職試験を受験するため4年制大学の卒業が必須条件です。

試験は行政や政治・国際、法律や経済などの区分に分かれており、自信のある区分で受験してもいいですし、希望する省庁が決まっていれば、その省庁が採用対象にしている区分に絞って対策するのも方法です。

なお、毎年採用人数の多い大学は東京大学です。

東京大学3、京都大学、早稲田大学、北海道大学、東北大学・慶應義塾大学などの出身者が多くなっています。

続いて政治家ですが、官僚とは違い学歴は問いません。

極論をいえば選挙に勝てば誰でもなれる政治家ですが、特に初めて立候補する際は社会的な実績やネームバリューがなければ投票されないでしょう。

また政治には法律の知識が求められるので政治家を目指す人たちには法律系の学部出身者が多い傾向にあったり、松下政経塾をはじめとした民間の政治塾で政治や経済の知識を養い、立候補する人たちも多いようです。

官僚と政治家の給料・待遇の違い

国家公務員である官僚の給料は人事院が定める俸給表に沿って支給されます。

30歳の平均年収は約500万円、40歳の役職クラスで約1,000万円といわれており、民間企業と比較しても際立って高いというわけではありません。

当然、階級が上がれば給料もアップし、官僚のトップである事務次官になれば年収約3,000万円を超すともいわれていますが、そこまで出世できるのはほんの一握りの人たちです。

政治家の給料は市会議員、県会議員などで変わりますが、ここでは国会議員を例に紹介します。

国会議員の給料は「歳費」と呼ばれているもので、なんの役職についていない議員でも年収は約1,500万円支給されており、それに加えボーナスにあたる期末手当や事務費なども支給されるので年間2,000万円以上は支給されているようです。

また国会議員は移動も多いという名目でJR特殊乗車券や国内定期航空券も交付され、かなり優遇されているといえます。

官僚と政治家はどっちがおすすめ?

官僚と政治家は関係性も深く、公共のために存在しているという意味では似ている部分もありますが職種としてはまったく違う立ち位置です。

政治家は日本や地域のよりよい未来のために政策を考え成立させるのが役目で、官僚は政策の実行や改定案を考え実行するためにどうすればよいかを考えます。

その前提で考えると、政治家にはは国をよくしたいという情熱や責任感、人々に訴えかけ行動につなげる強いリーダーシップが必要なため、それらを持ち合わせている人は向いているかもしれません。

官僚も同様で国をよくしたいという情熱は必要です。

加えて、施策や制度などを考える際に人の意見を上手に取り入れられる柔軟性や、専門性を高めるための勉強や知識吸収に貪欲な人、そして基本的なことですがハードワークが続くため体力的にタフな人も向いているでしょう。