官僚の海外留学

留学制度について

官僚が働いている各省庁では、海外の大学院(修士課程または博士課程)に留学する制度があります。

ただし、希望する全員が必ずいけるわけではなく、省庁から推薦された人の中から人事院で選抜されたうえで可否が決定します。

若手職員に対する留学制度は、正式には「行政官長期在外研究員制度」と呼ばれており、対象となるのは「在職期間が8年未満(博士号取得のための派遣は、在職25年未満)」の人です。

この制度によって留学した場合、2年間の学費に加えて現地の生活費が支給されるほか、給料も支払われます。

平成26年度には、147名の人がこの制度の利用による留学をしています。

留学の必要性と問題点

官僚の海外留学は、国際化が進む今、国を担うために必要な国際的な識見を広めるために実施されています。

実際、各省庁の業務でも国際交渉や海外調査、情報発信など、海外との関わりは避けて通れないものとなっており、語学力や国際感覚を有していることは必須となりつつあります。

つまり、現地で学んできたことを帰国後の仕事に生かすことが期待されているわけですが、そこで問題となったのが、本制度を利用して留学した官僚による帰国後の早期退職です。

なかには、留学中に民間企業からの誘いを受け、すぐに転職を決めてしまう人もいたようです。

この留学制度には、1人につき2年間で平均約1500万円程度といわれるほど多くの税金が投入されているため、もしそのようなことが続けば、国民の怒りは当然高まったことでしょう。

そこで、平成18年には「国家公務員の留学費用の償還に関する法律」が施行され、もし留学中や留学後の原則5年以内に離職した場合、留学費用相当額の全部又は一部を償還することが求められるようになっています。