管理栄養士の特定保健指導 (体験談)

特定保健指導とは?

特定保健指導とは、糖尿病、高血圧、動脈硬化などの予防のために、生活習慣の改善を目的とした指導のことをいいます。

「メタボ検診」と呼ばれることもあるので、単にお腹が出ていることや太り過ぎていることを注意するだけと思われがちですが、本来はそこから発生するリスクのあるさまざまな病気を予防するための指導です。

特定保健指導は健康診断後、数値が高い方が健康保険組合から指導を受けるように指示が出され、実施されています。

企業の場合、各健康保険組合の保健師や管理栄養士が指導を行っているところもありますが、多くは業務委託の管理栄養士が請け負います。

私も業務委託元の会社に登録をし、そこから依頼がきたら保健指導を行っています。

相手の目線に立った指導が大切

指導の依頼が最も多いのは、春に健康診断を終えて結果が出揃った秋頃です。2008年4月から特定保健指導が実施されて5年経ちますが、これまでさまざまな経験をしました。

例えば、企業だけではなく直接被保険者の方のご自宅に訪問することもあります。対象者の方にとっては「知らない人が自宅に訪問なんて…」と思うでしょうが、私自身も最初はやはり少し抵抗がありました。

とはいえ、何度も伺っているうちに慣れてくるものです。自宅訪問は主婦の方が多いのですが、その共通点として、ダイエット経験が何度もあるものの、挫折して成果に結びついていない方が大半です。

時代時代で流行したダイエット方法を試してみたり、ダイエット器具やビデオを使って頑張っているものの、「はじめは頑張るんだけどね~一度やらなくなってしまうとそのまま使わなくなってしまうのよ…」と、リバウンドを繰り返しています。

でも、私も同じタイプなので気持ちはよくわかります。女性は「甘いものが好き」、男性は「お酒や炭水化物が好き」、「運動はあまり…」といったお話を聞いていると、相手の心情がよくわかるので、心が痛む瞬間も多々あります。

また、アドバイスする立場でありながら、自分自身がきちんと実践できていないとストレスに感じ、「もう指導はやめよう」と落ち込んだこともあります。

ですが、今は相手の気持ちがわかるからこそ、同じ目線に立って指導ができるようになりました。この仕事をしているからこその出会いも多く、とてもやりがいがありますし、さまざまな現場の声を活かして仕事に励んでいます。

自分の健康と向き合ってもらいたい

指導の際には再度腹囲を測定しますが、数値を減らすためににお腹をへこませようとする方や、検診時より数値が高くなっていた場合、理由づけして言い訳をされる方もいます。

仕事の状況や家庭のお話など、いろいろな会話ができたほうが、的確なアドバイスと健康目標を設定しやすいのは事実です。

でも、数値の増減に一喜一憂するのではなく、生活習慣そのものが改善されることが何よりも大切です。この保健指導を通して、みなさんが自分自身の健康と向き合い、その大切さを考えていただきたいと思っています。