看護師の仕事で大切にしていること (体験談)

私が看護師の仕事をする上で大切にしている二つの言葉があります。それは、看護学生時代に授かった言葉で、今でもその言葉が私の「看護感」の基礎になっています。

「自分の家族だったらどうするかと考える。」

これは、当時、市民病院の院長が、講義の時に言った言葉です。自分の家族だったらどうするか考えればおのずと心のこもった看護ができるはずだと言う理論です。

もちろん、「自分の家族だったら」という強い感情移入は、客観的な視点から物事が見れず、偏った思いになってしまうこともありますし、感情で物事を判断してしまうので、全ての看護の場において活用できるわけではありません。

しかし、自分の看護に迷った時、悩んでいる患者さんを見た時、忙しくて煩雑に業務をこなしてしまいそうになった時、ふと「この患者さんが自分の家族だったらどうするか。医療従事者に何を期待するか」を考えるようにしています。

妥協をしない

「これぐらいならいいだろう…そんな気持ちがある人は、今すぐ方向転換して、看護師とは別の道を歩んでください。」

これは、看護学校の先生が授業中に言った言葉です。

看護師という仕事は、命を預かる責任の重い仕事です。ゆえに慢性の人材不足に悩まされ、ひとりでも多くの看護師が必要とされていますが、最低限の「資質」があります。

例えば、医療の現場では、感染を防ぐために「清潔・不潔」ということに非常に厳しいのですが、「ほんの少しぐらいの汚れはいいだろう…」と思って、いけないことに目をつむって仕事を続行させる人は、「看護師になる前に、早い段階で方向転換してください。看護師にならないでください」と言われました。

非常に厳しい言い方だと思いましたが、そのような気持ちが、呼ばれる重大な(医療)事故に繋がるかもしれない事態(インシデント)を引き起こすことを危惧していたのだと思います。

私はどちらかと言うとだらしない人間なので、この言葉を聞いた時、正直言って内心ドキッとしました。

しかし、方向転換はしませんでした。なぜなら、先生のこの一言は、私達を方向転換させようと思って言っているのではなく、覚悟を与えてくれていると受け取ったからです。

実際に、この一言は、10年以上たった今も私の心に刻まれ、私の身も心も引き締めてくれています。

この2つの言葉は、私が仕事をしていく上で今でも心の片隅に置き、大切にしています。

他にも、先輩ナースや、医師からいただいた忘れられない一言や指導も、私の中で生きています。

これから看護師を目指す人も、そんな「支え」になる言葉がきっと見つかると思います。

仕事体験談