海上保安官の仕事内容

海上保安官の業務

海上保安官は、「海の警察官」として、日本の海域を巡視船や航空機を使って監視し、海の治安と安全を守る仕事です。国土交通省の外局である海上保安庁に所属する国家公務員です。

業務を大きく分けると、以下の3つのようになります。

<警備救難業務>
海上の治安と安全を守る仕事です。密航や密漁、密輸などの取り締まりや海難救助、を行います。

日本の領海に不法入域する不審船の取り締まりや麻薬や密航者の流入を阻止する警備業務、行方不明者の捜索や海難事故での人命救助を行う救難業務、タンカー事故などによる汚染の拡大を防ぐ環境防災業務などがあります。

また、海洋環境保全の指導や海での事故防止の指導にも携わります。なお、海上保安庁では対応できない場合には、海上自衛隊に協力を要請することとなっています。

<海洋情報業務>
安全な航海をすることができるよう、海に関する情報を調べて提供します。海洋観測や天文観測などの調査をし、航海の安全や海洋開発に必要な海図の作成、水路誌の刊行などを行う仕事です。

具体的には測量船を使った海図の作成、海洋火山の噴火や漂流物に関する情報の提供、港湾の測量などを行います。調査で得た情報は、必要に応じて、無線で船舶に提供します。

<海上交通業務>
海上保安官は各地域での巡視船艇での海上勤務だけでなく、本庁や管区本部などでの陸上の勤務もあります。

海難事故防止対策として、海の交通警察として海上交通の管理をする仕事もあります。海上交通の安全に必要な「ブイ」や「灯台」などの航路標識を保守、運用、建設などを行います。また、航行管制業務などを行う「海上交通センター」からの情報提供もしています。

なお、海上保安官には下記のような特殊な職務もあります。
潜水士
特殊救難隊員

海上保安庁の「五つの使命」

海上保安庁では、「五つの使命」を業務の基礎として挙げています。
1.治安の維持
2.海上交通の安全確保
3.海難の救助
4.海上防災・海洋環境保全
5.国内外機関との連携・協力

「警備救難業務」は、これら1〜5すべての使命に関わっていると言えます。そして、それを支えているのが「水路業務」や「航路標識業務」です。これらすべてがあって、初めて日本の海の安全が守られているのです。

海上保安官と海上自衛隊の違い

海上保安官と海上自衛隊の役割

海上保安官と海上自衛隊、どちらも「海を守る」ということに関しては同じ目的を持っていますが、その業務はまったく異なっています。

具体的には、海上保安官が「犯罪や海難などから海を守る」のに対し、海上自衛隊は「侵略から海を守る」という立場をとっています。

それぞれの違い

海上保安官は国土交通省、海上自衛隊は防衛庁に属していることも大きな違いです。わかりやすく言うと、海上保安官は警察や消防のようなもので、法律違反を行った人を逮捕する権限を持っています。

一方、海上自衛隊は防衛部隊。逮捕する権限は持っておらず、あくまでも国の平和と安全を守るために活動しています。

このように、同じ「海」というフィールドで活躍する海上保安官と海上自衛隊でも、課せられた任務はずいぶん異なっています。しかし、海難の状況によっては海上保安庁が海上自衛隊に協力依頼を出すこともあり、お互い連携がスムーズにとれるように共同訓練も実施されています。