介護福祉士の仕事で大切にしていること(体験談)

寄りそって話しを聴くこと

介護の仕事は、車いすに移乗することや着替えを介助したり、オムツを交換するなどの身体介護ばかりではありません。

ヘルパーであれば、家事援助もありますし、介護の相談や指導をするのも介護福祉士の仕事の役目です。

介護の仕事でもっとも大切なことは、介護をされる側(その介護者も含め)との信頼関係です。

介護を必要とする人たちは、普段、何気なく行っている動作や生活が、人の手を借りなければできない状態なのです。

たとえば、外出すること、人と会って話すこと、電話をかけること、お風呂に入ったり、着替えをしたり、歯を磨いたり、食事をしたりすることなどが簡単にできないのです。

介護をする側にとって、それは容易なことですが、介護を受ける側の立場になってケアをすることはとても大切だと思います。それには、相手の話しをよく聴くことが大事です。

たとえ、話しをできない方だったとしても、認知症で話す内容が事実ではなくても、その人に寄りそって、気持ちを尊重してあげることで信頼関係が築いていけるのではないでしょうか。

その人の生活を尊重すること

ヘルパーとして、ご利用者の家を掃除する仕事があります。家の掃除や片づけは、人によってそれぞれ違います。

とくに、仕事とはいえ、他人であるヘルパーが家に入り込んで掃除をしたり食事を作ったりするので、利用者の方やその家族に抵抗を感じられる人は多いようです。

ベテランヘルパーは、利用者の方の掃除の仕方を忠実に守ります。ヘルパーの価値観を押し付けることはしません。

部屋が汚いからといって、ヘルパー流できれいに片づけてしまうのではなく、その利用者の方が長年生活されてきた習慣や環境などを配慮して掃除をするのです。

食事を作るときも、調理の間、利用者の方に味見をしてもらい、味付け方法も利用者の方の長年のやり方を尊重します。

その人がどんな暮らしぶりをされてきたのか、相手の生活をよく知ることはヘルパーの仕事の第一歩です。

介護される側の気持ちを考えて、その人が自尊心を持って生きていかれるよう支えることが大事です。

そのためにも、介護者側の自分の価値観を知り、自分の価値観を広げる努力も大切にしています。