家具職人の見習い・修行

見習いの受け入れには寛容な業界

家具職人になるためには学歴や資格は必要ありません。したがって家具職人を志す人は未経験のままに木工所や工房に就職することになります。

就職後は見習いという立場で家具職人としての修業期間を過ごします。

修行期間は個人差もありますが、5年ほどは見ておくべきだといわれています。

基本的に家具職人は皆、修行期間を経ているため、未経験者の指導には熱心な人が多く、意欲次第でさまざまなことを学べるでしょう。

食べていくのがやっと

見習いのうちは、金銭面での余裕はほとんどないことを覚悟しておくべきです。日給にして6〜7000円、月に手取りできる額は15万円に満たないことも多いのが現状です。

経験に応じて昇給はしていきますが、始めのうちは食べていくのがやっとということも少なくありません。

賃金が少ない代わりに、寮を完備している工房もあります。

休日返上で一人前を目指す

一連の業務に慣れるまでは休日はあってないようなものかもしれません。

通常出勤しないとはいえ、家具の展示会や木工用品店に出かけたり、道具の手入れに励んだりと、一般的な娯楽を楽しむ時間は格段に減るでしょう。

勤務時間の前や後にも、先輩に指導を仰いだりしながら技術向上のために努力する新人の姿はどこの工房でも当たり前に見られる風景であるといえます。

家具職人を志す人は皆、モノづくりの魅力に取りつかれており、手作業を得意とする人ばかりであるため、そこまで苦痛に感じないものなのかもしれません。

体系化して新人を育てる工房も

工房の中には独自の修行制度を設け、積極的に見習いを受け入れているところもあります。

このような工房では、寮での団体生活を通しての基本的生活習慣から、本格的な木工技術まで学ぶことができるため、いわば全寮制の教育機関ともいえます。

期間は4〜5年で、段階を踏んだカリキュラムのもと、職人の基本を徹底的に学びます。

通常の工房であると見習いは自分以外にいるかどうか、というところですが、このような新人教育に力を入れている工房であれば同期とも呼べる見習いの仲間が大勢いるため、切磋琢磨して技術向上に励めるというメリットもあります。

海外で修行する

ヨーロッパでは職業訓練が日本より盛んに行われています。家具職人になるための訓練校もあるので、思い切って海外で修行するという人もいます。

ドイツには「理論(教育)」と「実習(職業訓練)」からなるAusbildungという職業訓練制度があり、職人(技術職者)なら誰でもAusbildungを受けることができます。

これは「学びながら働き、働きながら学ぶ」というシステムで、中世から続く由緒ある制度です。

研修期間は職種によって異なりますが、家具職人の場合は通常3年間の訓練期間を経て修了試験を受け、専門資格を得ることができます。

ただし、海外で得た資格が日本でも適用されるとは限りません。海外での修行経験がそのまま日本での修業期間に換算されるとも限りません。

海外での修業はそれとして、日本で家具職人としてやっていきたいのであれば、国内でも修行をする心づもりでいるべきでしょう。