家具職人に必要なこと・求められるもの

使う人の立場に立った思いやりの心

どんなに見た目の美しいおしゃれな家具であっても使い勝手が悪ければ人々には受け入れられません。

製作した家具がどのような人の手にわたり、どのように使われるのか。家具職人は常にこのことを念頭に置いて作業をしています。

オーダーメイドであれば、注文者の要望や使用用途を加味し、実際にその家具が使われているところを想像しながら製作します。

家具の魅力の一つに見た目の美しさが挙げられるという事実も理解した上で使い手の立場に立った利便性を追求するのがプロの家具職人です。

そのためにも、家具職人は家具を使う人を思いやる心を常に持つ必要があるといえるでしょう。

長時間の作業に耐える集中力

家具製作の現場は一日中、モノづくりの音が響いています。釘を打つ音、材料を切り出す音など、人の声が聞こえてくることの方が少ないほどです。

家具の製作はほとんどの場合、完成までの全工程を一人で担当します。そのため、製品の完成はそれぞれの職人の集中力に左右されます。

それは完成までに要する時間はもちろんのこと、出来上がりの質にも影響してしまいます。

ある程度の長い時間、維持できる集中力がないと、家具職人としてやっていくのは難しいといえます。ときには一日中、誰とも口を聞かずに作業に没頭する日もあることを知っておきましょう。

修行に耐え抜く忍耐力

家具職人は一人前として認められるまで、最低でも5年前後かかるといわれています。つまり、5年間は見習いの身分であるということです。

この期間は給料も多いとはいえず、食べていくのがやっとということもよくあることです。

また、先輩の職人は新人を一人前に育てるための責任があるため、その指導が時に厳しくなることも当然あります。このような状況に耐えかねて、辞めていく人も少なくないのが現状です。

家具職人を志願する人は、厳しい修業期間を耐え抜く強い忍耐力が必要不可欠です。

常に上を目指す向上心

職人の道に生きることを決めたからには、常に向上心を持つことが必要です。

家具に使われる材料は木を始め、スチールやプラスチック、ガラスなど様々です。それぞれの特性を理解し、適切に使用するためには相応の知識が必要とされます。

また、時代による住宅環境や家族形態の変化、また流行により、求められる家具の在り方は常に変化しているため、常にアンテナを張り、情報収集に励む努力も必要でしょう。

ときには建築や美術など、他の分野ともタイアップしながら製作を進めることもあり、自分の持っている知識や技術だけでは太刀打ちできない場面も出てきます。

他分野に対しても意欲と好奇心を持って学ぼうとする姿勢が家具職人としての可能性を広げるカギになるといえます。

職人の世界にゴールはありません。活躍している家具職人は皆、貪欲な向上心を持っている人たちばかりなのです。