獣医師になるには

獣医師は、医師や歯科医などと同様に、国家資格が必要な仕事です。そのため、なるためには決められた大学で学び、国家試験を受けなければなりません。

ここでは、獣医師になるまでのルートを紹介します。

獣医系の大学に通う

獣医師を目指す人はまず、獣医学部や獣医学科などを持つ、いわゆる獣医系大学に入学し、6年間学ぶ必要があります。

獣医系大学は医学部ほどではありませんが学費が高く、私立大学の場合は6年間で1000万円以上が必要となります。

また、獣医系大学の数は国立・公立・私立あわせて日本に16校しかなく、非常に狭き門となっています。

難易度の一番低い獣医系大学でさえ、一部の医学部のレベルを超えているともいわれており、しっかりと勉強をしなければ合格は難しいでしょう。

また、研究に力を入れる大学もあれば、小動物や大動物などの臨床それぞれに強い大学もあるため、自分が獣医師としてどのような仕事をしたいのかを見据え、進学先を選ぶことが大切です。

こうして、まずは獣医系の大学に6年間しっかりと通い、獣医師国家試験の受験資格を手に入れることが必要となります。

獣医師国家試験に合格する

獣医学の課程を修了し、年に一度だけ行われる獣医師国家試験に合格すれば、晴れて獣医師の免許を取得することができます。

獣医師国家試験は8割程度の受験者が合格する内容となっており、6年間のカリキュラムを真面目に受けていれば、合格の可能性は高いでしょう。

獣医師国家試験の難易度、合格率

就職先を選ぶ

高いハードルを超えて、念願の国家資格を手に入れたら、次は就職先を探さなくてはいけません。獣医師の勤務先としては以下のようなところがあります。

動物病院

獣医師の就職先として最も多いのは、ペットの診療を行う動物病院で、その割合は全体の50%程度となります。

近年は長らく続くペットブームの影響を受け、とくに都市部には数多くの動物病院が立ち並んでいます。

農協

畜産牧場の牛や豚などの診療や管理を行い、畜産業の発展に貢献します。

動物園

動物園の動物の健康管理を行い、動物園の運営を裏方として支えます。

製薬会社、食品会社

薬や食品の研究開発を行う過程で必要な実験動物の管理を行ったり、品質管理を務めます。

地方自治体

保健所、食肉衛生検査所などで、食肉の衛生管理や、動物と人間に共通する感染症対策などを行います。

地方自治体での勤務をする場合は地方公務員となり、獣医師としてさまざまな仕事をローテーションして担当することがほとんどです。なお、公営の動物園で働く獣医師も公務員となります。

検疫所

国家公務員として働く獣医師もいます。空港や海港などの検疫所において、輸出入される動物の伝染病や感染症などの検査をします。

就職状況は?

獣医師国家試験に合格した人の就職状況は悪くなく、ほとんどの獣医学生が就職先を見つけることができます。

しかしながら、水族館・動物園・中央競馬協会などは人気が高く、教授の推薦をもらってもなかなか就職は難しいといわれています。

公務員に関していうと、求人の倍率にもよりますが、基本的に獣医師の国家資格を持っている方が少ないため、比較的就職しやすい状況となっているようです。

都道府県によっては獣医師が不足しており、積極的に就職を呼びかけているところも見受けられます。

ただし、それぞれの職場で筆記試験や面接試験などが行われており、試験をクリアしなければ就職することはできません。

獣医関係大学卒業生の就職状況調査

農林水産省の資料によると、平成22年度の卒業生の就職先で最も多かったのは、個人診療所(個人の動物病院など)の486人でした。

全体の割合は51.1%です。次に多いのが都道府県の公務員、農協関連団体への就職となっています。

獣医関係大学卒業者の就職状況調査23のグラフ

獣医師として働く

獣医師は就職をしてもすぐに一人前として働けるわけではありません。一般的には2〜3年の研修期間を経て、ようやく一人立ちできるともいわれます。

動物病院で研修医として勉強したり、先輩獣医師と一緒に働きながら知識と経験を重ねていくことが必要です。

獣医師の現状と今後の見通し

畜産農家の減少により、畜産牧場の牛や豚などの診療をする獣医師が減っているといわれています。ただし、公衆衛生や動物愛護、医薬品開発などに携わる獣医師の需要は高まっています。

ペットを飼う人は今後も増えていくと予想されており、臨床獣医師の求人募集は今後も比較的安定するものと考えられます。

また、近年は女性の獣医師が増えている傾向にあります。ペットは体が小さく術野が狭いことが多いため、男女問わず細かい作業ができる人に向いているともいわれます。