公務員の獣医師

獣医師は、動物病院や製薬会社等の民間企業に勤務する人ばかりでなく、公務員として働く人もいます。そして、公務員の場合は大きく「国家公務員」と「地方公務員」の2種類に分けることができます。

ここでは、それぞれの獣医師の働き方について詳しく紹介します。

国家公務員

「農林水産省」と「厚生労働省」の2つの省において、獣医師の採用が行われています。

農林水産省は「獣医系技術職員」、厚生労働省では「獣医系技官」と呼ばれており、本省のほか、全国の空港や海港にある検疫所(厚生労働省)や動物検疫所(農林水産省)などで働きます。

主な仕事内容は、外国から輸入される食品が食品衛生法に適合しているかを確認したり、人体に悪い影響を及ぼす微生物が付着していないかなどの検査・監督指導を行ったり、他国の食品安全情報の収集を行ったりすることです。

国家公務員として働くためには、いずれも各省の採用試験を受けて合格し、採用されければなりません。

それぞれの試験には受験資格があり、年齢制限のほか、「獣医師国家試験の合格者あるいは受験年の翌年3月31日までに獣医師国家試験の受験資格を有する見込みのある者」が受験可能となっています。

採用人数は農林水産省、厚生労働省いずれの場合も例年、「数名〜10数名程度」とあまり多くないようですが、獣医系大学を出たばかりの人から社会人経験者まで、幅広い採用がなされています。

農林水産省 獣医系技術職員採用
厚生労働省 獣医系技官採用

地方公務員

獣医師免許を取得したうえで各都道府県や市区町村が行う試験を受け、地方公務員として活躍する獣医師もいます。

職員として採用された獣医師は本庁のほか、食肉衛生検査所、家畜保健衛生所、畜産・林業・水産試験場、さらには都道府県や市町村が母体の動物園や水族館、動物愛護施設など、さまざまな場所で家畜衛生や公衆衛生の仕事に携わっています。

近年は、皆さんもニュースで聞いたことがあるであろう口蹄疫などの伝染病、また鳥インフルエンザや狂犬病といった人間と動物共通の感染症の発生が大きな社会問題となっています。

地方公務員の獣医師は、こういったものの流行を未然に防いだり、食品の安全性が強く問われる現代社会において、家畜の健康状態を現場で管理したり、流通する食品に問題がないかを検査・監督しています。

獣医師というと、どうしても動物病院で小動物の診療を行う臨床獣医師に注目が集まりがちですが、近年は公務員獣医師のニーズも大きく高まっています。