樹木医の仕事内容

樹木の声を聞く仕事

私たちは、風邪をひいたりお腹が痛くなると病院に行きお医師さんに診察してもらい、薬を処方してもらったり、ときには手術を受けることもあります。

同じように樹木医は病気になった樹木を診察し、樹木にとってなるべく負担の少ない方法で治療するのがお仕事です。

樹木は人と違って声を出すことはできません。どこが痛いのか、どこからどんな症状が現れているのかなど、樹木に起きている現象を見極めるのはとても困難です。

また、人間のようにたくさんの薬が開発されているわけではありませんから、どうすれば病気が完治するのかなどまだまだ未開発な部分も多いのです。

そんな中で、樹木の声を聞き取り、樹木にとって快適な環境となるように対処するのが樹木医の仕事なのです。

診察・分析・処置の3ステップ

樹木の治療は主に

1.診察
2.分析
3.処置

の3ステップからなります。一見単純に見えますが実際にはとても複雑な作業です。

人間が病気になるときには、気温や生活環境、食事、疲れ、ストレス、ウィルスなどさまざまな要素が混じり合って発病します。

樹木の発病にも同じようにさまざまな外的要因があり、多くの場合いくつかの要因が複雑に絡み合って発病に至ります。

まずはよく観察することから

発病の原因を突き止めるにはまず、樹木や生育場所などを実際に目で見て観察することから始まります。多くの場合、樹勢や枝振り、周辺環境などを記録した診断書を作成します。

また、写真を撮影するなど対象となる樹木の情報を集めます。そして、樹木のどの部分により精密な検査を行うかを決定し実行に移します。

この段階で原因箇所を見誤ったり不必要な検査をすればそれだけ樹木に負担がかかりますし、経済的な損失を発生させることにもなります。

精密検査には専用の器具を使用します。たとえば、幹に孔を開ける際の抵抗を測定したり、工業用内視鏡や放射線を使用して幹の内部の腐朽状態を診断します。

治療では、枝の選定や薬剤の散布、土壌へ肥料を混ぜたり、病気の原因や進行状態、季節によっても対処方法はかわります。

プラスαのツールとして

樹木医を生活するための職業とすることは非常に困難です。それは、樹木医として生計をたてていけるだけの仕事量がないからです。

そのため、樹木医のほとんどは他に仕事をしており、その職業を充実させるものとして樹木医の資格を用いています。

樹木医の有資格者が多く就職しているのは、

・造園業
・植栽管理業
・植木生産業
・国・地方公共団体の農林・緑化関係職員
・大学および研究所の教職員
・農林高等学校・専門学校の教職員
・農林業・緑化関係の公益法人、会社の役職員
・農業・林業の従事者

などです。