樹木医の現状と将来性

登録名簿は全国に

2013年現在、全国に2,020人が日本緑化センターの「樹木医登録名簿」に登録され、樹木医として活躍しています。

日本緑化センターが作成した樹木医登録名簿は、同センターに備え付けられるだけでなく、林野庁や各都道府県の緑化担当部局、都道府県緑化センターなどに保管され、利用に供されることになります。

この名簿をもとに、基本的には居住地の近隣から治療の依頼がくることになりますが、一つひとつの依頼を丁寧にこなし、評判があがれば、全国から仕事の依頼がくる可能性もあります。

女性の樹木医

樹木医登録名簿の登録者のうち151名が女性です。樹木医が行う作業は力仕事も多く、外での作業が中心となることから、女性の活躍はまだまだ少数です。

出産や育児に関わる待遇も雇用条件によりますので、すべてが完璧に整っているとはいい切れません。

しかし、女性ならでは視点や細やかな気配りが、樹木医の現場にも必要であるという評価もありますので、今後の活躍に期待が高まっています。

樹木に対する関心

日本各地に天然記念物に指定されている巨樹や古木が多くあり、その樹種もさまざまです。

これらの樹木は指定された時点ですでに巨樹・古木であることから、その後の衰退や、幹や枝に腐朽が広がるなど適切な防除対策を必要としているケースが多くあります。

また、自然環境保護や生物多様性の保全という観点からも樹木を保護することへの関心が高まっています。

最近では、東日本大震災で津波の被害から生き残った奇跡の一本松など、樹木を復興のシンボルとして位置づけることもあります。

樹木医の仕事は少数

樹木の重要性やその機能に対する期待が高まっている一方で、樹木医への依頼はまだまだ少ないのが現状です。これには、樹木の所有者の経済的な理由が大きく関わってきます。

天然記念物に指定される巨樹・古木や桜や松などのシンボルツリーには、ある程度の予算がさけたとしても、街路樹や公園木の一本一本には時間やお金をさけないというのが現実だからです。

庭木など個人の所有なら、お金をかけてでも治療をして子孫に残したいと思えますが、国や地方自治体などの財源にはそうした余裕はありません。

積極的に発信していく

樹木の持つ特性を生かした街づくりを樹木医の立場から発信していくことも、今後は必要になってくるかもしれません。

樹木のスペシャリストだからこそ、樹木にとっても人にとっても住み心地のいい環境や都市計画を提案できることでしょう。

樹木の所有者からの依頼を待つ樹木医の姿から、一歩踏み込んだ樹木医の姿まで、その活躍の幅が広がっていく可能性があります。