樹木の病気と樹木医の思い

樹木の病気とは

樹木の病気とはどのようなものなのでしょうか。

昆虫やカビ、キノコ、ウイルスなどによって、樹木が生活していくのに必要な機能が阻害され、正常に機能しなくなることを「樹木の病気(樹病)」といいます。

日照不足、大気汚染、土壌の踏み固め・養分不足、他の植物による寄生、動物による損傷などによって、樹木が弱っているとこれらの病気にかかりやすくもなります。

樹木は、根・幹・枝・葉などさまざまな部分から成り立っています。

根からは、土壌中の水分や栄養分を吸収し、葉では光合成や呼吸を行い、樹木の成長を支えています。樹木の病気は、こうしたそれぞれの部位に発生します。

葉や幹に昆虫がびっしりと着いて、樹木が生きていくための栄養素を横取りすれば、樹木は枯れてしまいます。

また、樹木の内側が腐って空洞化したり、木を支える土が減ってしまえば、葉や枝の重みに耐えきれずに折れたり根っこから倒れてしまいます。

これらは樹木の病気ではありませんが、樹木医はこうしたことにも対処します。

できるだけ残したいという思い

病気になった樹木は伐って他の木と取り替えてしまえばいい。もちろん費用や手間を考えれば、そういう結論にたどり着くかもしれません。

けれども、樹木が大きく成長するまでには長い年月がかかり、夏場に気持ちのいい木陰を作り出してくれるまでにはとても長い時間がかかります。

自分が生まれた時に植樹した記念樹や子どものころに木登りをした思い出の木、通勤通学で見かける街路樹など、世の中には意外にたくさんの「誰かの思いが詰まった樹木」があるのではないでしょうか。

こうした思いにできるだけ応えたいというのが、樹木医が樹木と人に対して抱く思いなのです。