塾講師の現状と将来性

着実に業績を伸ばしている

少子化が叫ばれて久しく、公立学校の統廃合が進む厳しい状況の中、意外にも塾業界は着実に業績を伸ばしています。

経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、学習塾は売上高、受講生とも、右肩上がりで伸びていることがわかります。

その成長の理由として考えられるのは、ゆとり教育が見直されたことにあるといえます。

一時期は大幅に削られた授業時間も現在では増加し、かつての学力重視の風潮が高まりつつあるのです。

それに伴う保護者の教育に対する不安の高まりが学習塾の成長の一助となっています。

厳しい業界環境

塾業界全体の隆盛は前述の通りですが現場レベルで見ていくと、必ずしも楽観できる状況ではないことがわかります。

生徒や保護者にとって塾に求めるものは志望校合格や成績向上のような目に見える成果です。

それが思うように上がらないと、塾に対する満足度も上がらず、結果的に生徒がライバル塾に流出してしまうという事態を招きます。

これはどの塾にとっても大きな損害。ややもすると廃業という最悪の結果を生みかねません。

その責任の所在は塾長はもちろんのこと、講師全体にまで波及することになり、常に授業内容の「品質」を管理され、求められるレベルに達しないと淘汰されるという厳しい状況での労働を強いられるのです。

プロとして賃金を得る以上、努力はもちろん必要ですが、それを差し引いてもプレッシャーの強い業界であると考えて良いでしょう。

講師であっても営業努力が求められる

これは大規模展開している塾ほどいえることですが、どの位の生徒を入塾させたかという数字が重視されることが多々見受けられます。

加えて合格実績を出すことも重要なポイントです。業界が成長しているとはいえ少子化であることには変わりありません。

生徒の頭数が少ない状況の中、いかに入塾者を増やすかということに頭を悩ませている塾がほとんどであるといえるでしょう。

責任者として塾長が最も苦労するのは言うまでもありませんが、学習指導を主たる業務とする講師陣もチラシの作成や配布、説明会の運営等で尽力することが求められてきます。

もちろん質の良い授業を行うことが講師の出来うる最高の営業活動であることは間違いありません。

収入増を目指し、独立する講師も

塾講師は初任給は高めに設定されているもののその後の伸び率が悪く、激務のわりに金銭面で報われないというのが正直なところです。

収入を増加させるためには前述のように管理職につくという道がありますが、学習指導から離れてしまうため、生涯一講師で過ごしたいと考える人が多く、救済の道になりきらない部わかあります。

結果、正社員にならずに非常勤講師として複数の塾をかけ持つ人もでてきています。

それ以外の方法として塾を開業するという道を選ぶ人もいます。

独立は給与アップのみならず、自身の理念のもとに教育活動を行えるという利点もあり、将来的な目標として据える人も多いようです。

しかし、他の職種と同様に経営者としての苦労は常に付きまとうこととなり、軌道に乗るまでは赤字も覚悟する必要があるでしょう。

塾は実績や評判がものをいうため、短いスパンでは結果が出にくい業種なのです。