ジャーナリストになったきっかけ(体験談)

執筆者:ひろさん 男性 41歳

新聞は主張を出しにくい

私は新聞記者からジャーナリストの道を歩んだのですが、新聞記者時代には、ジャーナリストとして活動したいという思いはそれほど強くありませんでした。

しかし、社内の先輩や、世間でジャーナリストとして活動している人たちの仕事ぶりを見て、将来、ジャーナリストとして独り立ちしたいという思いを強めました。

一つの新聞社内での記者活動では、自分の見解なり主張をストレートに出すことに制約があると感じたからです。

新聞社内では、一般の会社に比べると、比較的自由にものが言える環境にあることは確かです。

言論を仕事としている以上、当然といえば当然ですが、それでも、記事の作成、解説の掲載などにあたっては、社論に沿ったものであるかどうかが問われます。

新聞社も企業組織である以上、経営の観点、会社の歴史的風土などが、紙面編集のベースとなるのです。

フリージャーナリストになる決断

通常のニュース取材の場合はともかく、編集委員や論説委員として、解説、主張を書く段になると、会社幹部の意見が方向性を決める重要なポイントになります。

そうした場合、自分の考えとどうしてもそぐわない点が出てきます。それらが積み重なると、ストレスがたまり、もっと自由な雰囲気で仕事をしたいと思うようになります。

一方、世間で活動しているジャーナリストの仕事やその論調を拝見すると、「さすがに人を納得させる主張だ」「文筆家として、このような記事を書きたい」という思いが募りました。

そうした気持ちが、フリージャーナリストになる決断をした理由といえます。

仕事に手応え

とはいえ、フリージャーナリストにも、それなりの苦労はあります。新聞記者時代と違って、取材の上で、さまざまな制約に直面します。

会社の名刺が使えない、記者クラブに所属できない、記者会見の場に臨めない等々です。

ただ、そうした制約は、私自身、新聞記者時代に築いた人脈、コミュニケーションなどによって、克服することができましたが、現役の新聞記者と同じ土俵で仕事をするというわけにはいきません。

そのため、新聞記者とは違った観点、視点で勝負するというように、方向転換しました。

つまり、ニュースの取材や事実の報道ではなく、一つのニュースをさまざまな角度から分析し、新たな情報を加えて、新しいニュースを作り出そうとしました。

一般の新聞報道の場合、ニュースは発表記事の場合が多いのですが、それをベースとしながらも、じっくり取材し、インタビューを続けていくと、新しい事実を発見できることがあります。

そうした事実は、まさに新しいニュースということが出来ます。

また、新聞記事として報道されたニュースであっても、過去の自分の経験、判断に照らして、自分なりの見解を加えることによって、新聞記事に付加価値をつけることも、ジャーナリストとしての役目であると感じています。

社内や組織からの制約を受けず、比較的自由な立場で文筆を仕事とできるジャーナリストに、手ごたえを感じています。