貿易に関する職業、仕事

経済のグローバル化が進んでいる現代、私たちの生活は「貿易」なくして成り立たないといっても過言ではありません。 日常生活では貿易の現場を知ることはなかなかできませんが、さまざまな企業で日々貿易が盛んにおこなわれており、また貿易に関する業務に携わる人も大勢います。 今回は、そんな貿易に直接関わっていくことができる職業や仕事について紹介します。 なかには高い専門性が必要とされるものもありますが、いずれも貿易の最前線で、世界を股にかけて活躍できるやりがいのある仕事だといえるでしょう。

商社マン

商社マンとは、あらゆる「もの」を世界中と取引する商社に勤務する社員のなかでも、一般的に事務職ではなく、総合職として営業などに携わる人のことをいいます。

商社マンの仕事内容は、おのおのが担当する取引の種類によって実に幅広いものとなっていますが、「売り手」と「買い手」のパイプ役として世界中に広がる生産者の情報を調べ上げ、より有利な取引ができるよう交渉します。

取引内容によっては、一気に数億円、数百億円という規模のお金が動くこともあるなど、世界を相手に非常にダイナミックな仕事を行うことが特徴です。

海外営業

海外営業とは、メーカーなどの企業において、主に自社の製品を海外の企業や顧客に対してアピールし、売っていく仕事に携わる人のことをいいます。

どの国での営業を担当するかは勤務先の事業展開によって異なりますが、その国の市場やニーズ、文化、価値観、その他事情についてもよく理解したうえで、マーケティング担当者などと各地域に適した販売促進や新規開拓を検討し、セールスを行う必要があります。

日本国内を拠点にして必要に応じて海外出張をしながら働くこともあれば、海外赴任を命じられることもあります。

通関士

通関士は、物を輸出、輸入するときに必要な税関での手続きを代行する仕事です。

通関に関する専門知識を持ち、貨物の内容を税関長に申告して許可を取るために必要となる通関書類の作成をはじめとする各種手続きを、商社やメーカーなどの輸出入業者に代わって行います。

基本的に運送会社や倉庫会社といった通関業者の社員として働きますが、通関業務に携わるためには難易度の高い国家資格である通関士の資格を取得する必要があります。

アジアとの貿易量の増加と共に通関業者の数も増加傾向にあります。

税関職員

税関職員は、全国の空港や港などで「税=税金の徴収」と「関=通関手続き」を行う仕事です。

ものを輸出入する際に、関税や消費税等がきちんと支払われているかをチェックして許可を出したり、輸入貨物に危ないものがないか検査したり、薬物などの密輸を取り締まったりするほか、私たちが海外旅行をする際の旅客手荷物検査にも携わります。

身分は国家公務員となり、日本の納税制度や貿易の円滑化に貢献するほか、日本と海外の交流がどんどん深まっていく現代日本社会の治安維持のためにも重要な役目を担っています。

貿易事務

貿易事務は、貿易商品の輸出・輸入に関して必要な手続きや書類作成、入力業務、ファイリングなどの事務処理に携わる仕事です。

貿易の現場では海外の企業との取引を行うため、事務といっても一般的な事務職より専門性が高いことが特徴です。

たとえば、英語をはじめとする語学力や、輸出入に関する法律や通関などの基礎知識まで求められることが多くなっています。

活躍の場は商社やメーカー、船会社、航空会社、倉庫会社など幅広く、勤務先によって具体的な業務内容は異なりますが、大きく分けると「輸出業務」と「輸入業務」の2つの種類の事務作業に携わります。

通訳

通訳は、2つ以上の国の言語を使うことができ、異なる言語をお互いの国の言葉に訳す人のことをいいます。

通訳には、国際会議での通訳を行う「会議通訳」、商談などのビジネスの話で通訳をする「ビジネス通訳」、スポーツ選手や来日する芸能人の通訳を担当する「スポーツ・芸能通訳」、日本への観光客を案内する「通訳案内業」などの分野があります。

話し手の言葉を聞くと同時に訳す「同時通訳」や、ひと呼吸置いて話をまとめる「逐次通訳」などの手法を用いて通訳を行います。

国際化が進むなかで貿易商社や輸入関連企業以外でも海外取引を行う企業が急増し、とくに会議通訳の需要が高まっています。

JETRO職員

JETROとは、2003年に前身となる日本貿易振興会を引き継いで設立され、日本の貿易振興に関する事業や、開発途上国地域の総合的な調査研究を通じて、日本の経済・社会のさらなる発展を目指す組織(独立行政法人)です。

日本全国に拠点を置くほか、世界57カ国にJETROの海外ネットワークがあり、経済連携協定をはじめとする日本の通商政策をバックアップします。

この組織に勤めて働く人を総称して「JETRO職員」といいますが、内部では輸出支援、海外企業誘致、調査研究など、経済や貿易の知識を生かしてさまざまな業務に携わる人たちが働いています。

バイヤー

バイヤーは、小売店や百貨店などの店頭に並べる商品を買い付ける仕事です。

洋服、食料品、家具、宝飾品などさまざまな分野で活躍するバイヤーがおり、バイヤーはターゲットとなる消費者の姿をイメージし、どの商品をいくらで仕入れるかを考え、価格交渉も行いながら、売れそうなものを仕入れていきます。

日本全国を飛び回るだけでなく、海外の生産現場や展示会へ足を運んだり、現地で買い付けを行ったりする機会も多くあるため、視野を広く持つことと同時に、売れる商品を見極める目やセンス、先見性などが問われます。

貿易に関する職業では、貿易に関する専門知識を身につける必要があると同時に、広い視野や語学力も求められるケースが多くなっています。 なかには「通関士」のように国家資格が求められる職業や、「税関職員」のように国家公務員採用試験の合格が必要となるものもあるため、興味のある職業を見つけたら、なり方を早めに調べておくとよいでしょう。